第8話
アリスの両親は父方の叔父夫婦で、本当の父母ではなかった。
アリスが幼い時に事故で他界していた。
そうして姉と二人、叔父夫婦に引き取られたのだ。
何ということ!!可愛そうな二人きりの姉妹!!
しかし、叔父夫婦は自ら望んで姉妹を迎え入れた訳ではなく、親戚やご近所の目から自分達がいかに良く見えるかを懸念してそうしたのであり、可愛そうな姉妹を引き取る事で、なんと優しい夫婦だろうと世間に広めるための行為でしかなかった。
だから、叔母は常にアリスに無関心で、アリスが空想の話をすると、またそんな馬鹿げた事を言って、とアリスを叱るのだった。
叔父はそんな妻を引き留めることもせず、ただ、空気のように煙草を吹かして煙を吐いていた。
叔父夫婦にも、子供がいたが一人息子で、姉とは年格好も近く、良くおしゃべりをしていたようだが、アリスに対してはアリスの空想の話についていけず、避け気味だった。
そんな風だから、アリスはいつも独り、部屋に閉じ込もって本を読んでいた。
そして、鏡を覗いては空想の中に夢中になり、そこの住人と遊んでいたのだった。
たまに外に出て遊んでいたと思ったら、蜥蜴や蛙を捕まえてきて、名前を付けてその蜥蜴や蛙に話しかけていた。
叔母は、そんなアリスを気味が悪いと思うようになり、度々罵声を浴びせたり、手を振り上げたりとアリスに辛く当たるようになった。
容疑者アリス ポインテッド @9tarou29
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。容疑者アリスの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます