ROUND 10 princess☆of☆CHAINSAW
「で、バニー様で良いの?」
「バニーちゃんでも」
「バニーちゃん」
民からの親しみを考慮し、本名ではなくバニー様と呼ばれたがる一国の王女。未だにそれは続けているようだ。
「それで本題なのだけど」
「はい」
「さっきのは?」
「使徒がいきなり出てきて、ね?」
「そうじゃねぇわよ!!!!」
バニー様は世界を震わせるレベルで叫んだ。
「あのビームはどういうやつなのか教えなさい」
「しらね」
「……」
「ホントなの!!!!!!!」
「……」
「ボクうそつかない!!!!!!!!!!」
「その翼の色が信用出来ないわ」
「ぬぅん!(憤怒)」
堕天使は目から血涙を溢れさせて憤怒の意を示す。別に好きで堕天した訳でもない。
バニー様が堕天使の華奢な肩を掴みゆっさゆっさと振動させる。ゆさゆさするならまだしもゆっさゆっさすると首が本格的にイカれかねないので注意しよう。しかしそれにしては力が強く感じまってころそうとしてませんか?
危険を感じ飛び退く堕天使。幼い身体と言える体型の彼女にはゆさゆさ攻撃が効く。首も細いし幼女なのではなかろうか。
距離を取った獲物に目を細め、バニー様は片手を伸ばし……少しだけ手先を曲げた。
「ねぇそれ」
「殺してでも聞き出すわ」
「殺されたら聞けないよ!」
「死なないでしょう」
「死にはすると思うよ!」
「先っちょだけだから」
肘を思い切り引いたバニー様の背後にうっすらと機械が姿を表す。顕になるその様相はモロにゴツゴツとした────チェンソーめいたナニカ。火を吹き始めた挿し口からプラズマの刃がセットされた。
どるどる、と唸るソレはバニー様が振り下ろした腕に従い静止した。
「先っちょとかじゃないじゃん!!!!!!!!」
「お黙りなさい」
「黙ったら殺されるじゃん!」
「賢いわね、さあ教えなさい」
「知らないもん!!!!!!!!!!!!!」
交渉決裂とばかりに上げられた腕。
ニ"ィ───────────
「あの!!!!!!!!!」
「何かしら」
「しぬやつ!!!!!!!!!!!!!!」
「そう?」
収束したプラズマを回転させることで薄桃色に呈色する刃。至近距離にいるだけでもう痛いのである。直撃したら刃を鮮血に染めながら蒸発することだろう。勿論それはバニー様も同じである。
「暴力には相応の代償が必要なのよね」
だが姫は無理矢理に耐える。例え腕が引き千切られようとも、再生すれば現状維持。危険な思想でロマンをコーティングし、火力至上のノブレスオブリージュを遂行する。祭祀神機『
本人的にはビームの遠距離性能に魅せられてから光線に目が無い。プラズマチェンソーの使用頻度が上がったのもそういうことである。
さて堕天使はどうにかしないと消えてしまう。従って最終奥義を……
「どこ行くのよ!」
「おそら!」
それは一説に逃亡と言う。にげるがかち。
暇を持て余した神々の遊び(Lv.Max) 濁烈叫悦のアスラトシカ・ジンジャー @Vaemilrior
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