ROUND 7 追い込み漁を天使に

 生けるうんちこと恋愛神に指名手配された堕天使。人気の無さそうな路地に降り立つ。


「ギャワイイイイイイイイ!」

「うわぁあああああ変態だぁあああああ!」

『認証:変質者』


 降り立ったら目の前におばさまがいた。すんごい甲高い声で叫ばれた上にガンギマリだったので堕天使はSAN値を大幅に削られた。


 全速で距離を取りつつ駆ける。ちらほらと視界に市民が入る度にガンギマリであることを理解した、なので半泣きである。

 ふと気付く。もうこの際屋根を駆けたらどうなのか。やってみるか?相棒、どう?


「屋根駆け安全性」

『算出:6秒』

「やって!」

『……完了:人類有効性約8割、対恋愛神有効性皆無』

「うんち!!!!!!!!!!!!!!!」


 足へ力を込めて距離を稼ぎ、翼をはためかせる。


「見えた!」

「おパンツは!?」

「薄ピンク!」

「ッシャオラァ死ねやゴラァ!」


 余計なことをほざいたオッサンにダークネスムーンブレイクをかます。石畳が壊れて砂煙が上がり、それを利用して屋根の上に駆け上がる。


「あ!こんにちわ!」

「こんちは。神速離影バイバイ!」

「消えちゃったー!」


 一般遊戯幼女がいたので全力で逃げた。子供の素直さは甘く見てはいけない。あっあそこにてんしだ!でどれだけの暴動が加速するか分からない。楽しくキャッキャ!してなさい。


「ままー!不思議な子がいたー!」

「うんちっち!!!!!!!!!!!!!!」


 キャッキャ!(通報)かぁ……うーんこの。堕天使は泣いた。

 一斉に窓が開いた。堕天使は更に泣いた。

 突然前方に網を広げられる。堕天使は慟哭した。ぴえんぴえん泣きつつもうどうにでもなれと上方へと飛翔していくーーーーーーーー

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