恋の終わり、次の始まり

ずっと前から自分のことが嫌いだった。

誰かを傷つけることしかできない自分が。

みんなの足を引っ張りまくる自分が。

それなのにみんなが優しくて許してもらえてる自分が。

本当に大嫌いだった。

誰かを笑顔にしたいはずなのに、それすらもできない。

毎日がつらかった。いっそのこと死んでしまいたかった。

何回橋から川を見下ろしたっけな?

でも、死ねなかった。少しでもみんなの近くにいたかったから。我ながらとんでもねぇわがままだったよ。

でも、中三の冬の日、あなたのおかげですべてが変わった。

あなたが僕を愛してくれた。それだけで僕は何もかもが変わった。

誰かを傷つけることしかできなかった僕が、誰かを笑顔にしたかった僕が、やっと自力で笑顔にできる人だったから。

その日から今まで以上に毎日が楽しくなった。

登校時間秒単位で考えて途中で会うようにしたりしたな。

今思い返すと、ほんとしょうもないことも楽しかった。

でも、そんな幸福、いつまでも続くわけなかった。正直、心のどこかでは僕も気づいていた。

中学を卒業して、あなたは偏差値トップレベルの高校に行った。でも、僕は底辺高校に行った。

さらには向こうの親は恋愛禁止思想ときた。

その時点で、もう長くないのかなって不安だった。

でも、何とかしてやるって思った。幸いにも高校の友達があなたの高校に通ってる知り合いを通して僕に連絡先を教えてくれたから、そこからいろいろ聞いて下校時に近所に待ち伏せした。結局一回しか成功しなかったし、友達にしたらキモがられた。

誕生日が夏だって言ってた気がするから誕生日プレゼントも買いに行ったな。僕、人込み大嫌いだったけど、頑張って大都会、行ってきたよ。高校の友達からお店の場所聞いて、鳥が好きだったから鳥のぬいぐるみキーホルダー買ったよ。正直、バイトしてない高校生にはまぁまぁ痛かったよ。

そして帰りのバスで思いついて、近所の百円ショップで便箋を…買おうと思ったらグリーティングカードで書きずらかったけど手紙も書いたよ。

でも、結局渡せなかったな。

夏休み、僕は振られた。僕が自覚ないうちに無理をさせてたみたい。

本当に悲しかった。二週間ぐらいは何もかもがつらかった。大切な人ひとりを幸せにできないようなクズだったんだなって思った。夏休み中に中学のみんなに会ってなかったら、間違いなく僕死んでたな。

でも、少し収まってもずっとつらかった。死にたいなんて何回も思った。ほんとにとんだ死にたがりだよ。

近くを通るリア充が大嫌いだった。ただの嫉妬だけど。でも、友達に彼氏彼女ができたときはこっちがうれしかったな。一組3日で別れたらしいけど…

でも、そんなのを見るたびに、隣にあなたがいればと思った。むかつくことに中学の席の位置と高校の席の位置が似てることが多くて、この席の時あなたはこの席だったなとか思ってしまって自滅してた。ふと友達にあなたの話をして自滅してた。左手を包むあなたのぬくもりを感じず、代わりに冬の寒さを感じて自滅してた。

ほんとにくだらないことで自滅した。振り切りたくても振り切れなかった。

これで何回周りに迷惑かけたっけ?ぶっちゃけ一回目すら数えてない。

いつもだったら速攻ネタに昇華してごまかすんだが、昇華できなかった。

もう、本当につらかったよ。


でも、もういいや。


どうせ悔やんでもあなたは戻ってこない。あなたはきっと高校で俺なんかよりもいい人と幸せになれる。

未練全くないわけではないし、何ならありまくっている。でも、きっといつか。ほかのだれかを本気で愛せるようになって、その誰かから本気で愛されるようになったら、きっと振り切れる。そして、きっとそんな日が来る。

もう、これから関わることはないだろうし、正直気まずいから関わりたくない自分もいる。でも、最後に言わせてほしい。


僕を愛してくれてありがとう。僕も大好きでした。他のだれかと、僕といた時以上に幸せになれることを願っています。

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