第42話 救援
人々が武器を持ち、魔物達と戦う。
その姿に唖然としていると、ヨゼフ爺がやってきた。
俺はシオン達に休憩するように命じ、ヨゼフ爺に駆け寄る。
「エルク殿下! 良かった、ご無事でしたか……」
「ヨゼフ爺? 救援は送るって聞いてはいたけど、早くない?」
俺達は着の身着のまま少人数でやってきた。
でも十人を軽く超える人達をまとめて、それから移動するのは時間がかかるはず。
そもそも、都市の防衛のため振り分けないといけない。
「編成に手間取るかと思ったのですが、思ったより早く済んだのです。万が一のために都市に残る者、そして救援に行く者で。救援に行く者は、エルク殿下が回復魔法をかけた方々です」
「そっか……道理で見覚えがあるわけだ」
「エルク殿下に恩返しがしたいと迫られまして……彼らだけを連れて、急行したというわけです」
「ありがとう、めちゃくちゃ助かったよ」
俺は魔法は使えても、戦闘のプロじゃない。
体力と精神的に、そろそろ限界を迎えるところだった。
「いえ、エルク殿下のお人柄かと。皆、エルク殿下のためならと迅速に行動してくれましたから」
「そっか……ありがたいね」
「まさか、王族の方が自分達のために動いてくれるなど思ってもいなかったと。エルク殿下ならば、辺境を変えてくれるのではないかと」
俺はどうしていいかわからず、思わず頬をかく。
ただ単に破滅回避したいから、恩を売っただけなんだけど。
「そんなに期待されても困るなぁ」
「ほほっ、今更逃げられませんぞ?」
「はいはい、わかったよ。無論、逃げるつもりはないから」
そんなことしたら、主人公に殺されちゃうよ。
何より……その信頼は裏切りたくないや。
「それならば良いです」
「それにしたって、ヨゼフ爺本人が来るなんて」
「ほほっ、私とて若き頃は戦場を駆け抜けた男。まだまだジジイ扱いは心外ですな——では、お見せするといたしましょう」
そう言い、敵陣に突っ込んでいく。
そして次々と魔物達を剣で仕留めていった。
その姿は、とても還暦を過ぎだとは思えない。
流石は、シグルドおじさんの師匠だ。
すると、息を整えたシオン達がやってくる。
「主君よ、もう平気です。私も前線に戻ろうかと」
「オレもだ。あの中には教え子達もいるのでな」
「オイラも引き続きお守りします!」
「いや、ちょっと待って。三人には、この後に出てくる敵に集中してほしい。おそらくだけど、そろそろボスが来るはず」
俺の言葉に三人が神妙に頷く。
大体、こういうイベントは最後に大物が出てくるんだよね。
「……確かに魔物の数も減りましたが、勢いは収まっていませんね」
「そうなると、ボスに当たる魔物がいるか」
「よくわからないけど、オイラも頑張ります!」
「それじゃ、ひとまず休憩……あぁー疲れた」
俺は座り込み、自前の魔法で水をガバガバ飲み干す。
「主君、行儀が悪いですよ。ほら、コップならありますから」
「ごめんごめん。んじゃ、三人も飲んで休もう」
三人も座り込み、持ってきていた保存食と共に水を飲む。
そして気力が少し回復した頃、それはやってきた。
突然、轟音が響きわたる。
「グォォォォォ!」
「主君!」
「きたぞ!」
「わわっ!?」
「……あれがボスだね」
奥から出てきたのは、オーガと呼ばれる魔物だった。
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