7-12 悪霊の住む家
レストランで夕飯を食べた一行は、ネコ太の部屋に集まった。
そこでお酒を飲みながらパーティでもすれば旅行らしいが、竜胆を部屋に残してパトラシアへ。もはや、一日一回はミニャンジャ村の空気を吸わなければ落ち着かない体になっているのだ。
「あーっ、ネコ太さんだ! お仕事はもういいの?」
夕飯が終わって自宅でまったりタイムをしているミニャが、ネコ太の来訪を喜んだ。
『ネコ太:お仕事の途中で少しだけミニャちゃんに会いに来たんだ。またすぐにお仕事に向かうかも』
「そっかー。お仕事頑張ってね」
『ネコ太:うん、ありがとう』
子供からお仕事の応援をされるのはこんなに嬉しいものなのかと、ネコ太の母性本能はキュンキュンだ。
『ネコ太:今日は何をして遊んだの?』
「今日はねー」
ミニャと他の賢者たちが今日の出来事を話してくれて、ネコ太は幸せな時間を過ごした。
闇の福音たち他の遠征メンバーも、各々が同じように関わりの深い仕事場に顔を見せている。
しばらくすると、エンラからメンバーに連絡が入った。
【701、エンラ:ネコ太班に報告。今回の治療案件だが、悪霊が関わっていることが判明した。召喚中の者もいるので被害者の名前は各員が帰還後に報告する。被害者の病状は不明だが、容体は一目で緊急を要すると判断できるものだ。現在、ロバートはホテルへ帰還中だが、様子から見て、おそらく竜胆に連絡を入れるだろう】
【702、闇の福音:悪霊ですか。まだ退治してないんですか?】
エンラは悪霊特効を持つ闇属性。コウゲンの火属性は、光属性と同じセイントファイアを使える。ネコ忍ほどの腕前なら倒せるだろうと闇の福音は思った。
【703、エンラ:依頼という形で救うのが最良だ。それに被害者を回復せずに悪霊を叩くと、その反動で死ぬ可能性がある】
【704、闇の福音:なるほど、了解しました】
前回の『外法の髪』事件でも、ヴィヴィに対して奇跡を目の当たりにさせる手法が取られた。そうでなければ、当事者はよくわからないまま救われたとしか認識できない。それはそれで素晴らしいことだが、賢者たちにはなんのプラスにもならないどころか、場合によっては詐欺師扱いされかねない。
【705、髑髏丸:では、こちらも悪霊退治の準備をすればいいですか?】
【706、エンラ:ああ、準備をしてホテルに待機していてくれ。そちらにはチャーターした車でコウゲンが向かっている】
【707、竜胆:依頼受理の手順を聞きたいです。たとえば、ネコ太を悪霊がいる場所に連れていっていいのかなどですね】
【708、ネコ太:もちろん行くよ! 見過ごせないもん!】
【709、エンラ:ワシとコウゲンもいるから身の安全は大丈夫だ。もしもの時はパトラシアに避難しつつ、八鳥村へと転移すればいい。まあ、その場合はパスポートの渡航記録の帳尻合わせが面倒になるが、ネコ太の命には代えられんからな】
【710、髑髏丸:ニーテスト見ているな? 俺を一度送還してくれ。そのあとに自由時間を使いたい】
【711、ニーテスト:了解した】
【712、エンラ:ロバートから連絡が来た際の受け答えを説明する。これは予定にも関わるので、髑髏丸も準備をしながら見ておいてくれ】
【713、エンラ:まずは——】
髑髏丸は一度帰還して、すぐに女神様ショップの『自由時間』でミニャンジャ村に再召喚。
工房でビーズのチャーム作りをしていたネムネムが、そんな髑髏丸を見て首を傾げる。
『ネムネム:あれ、髑髏っち、いま帰ったばっかりじゃん。また来たの?』
『髑髏丸:今回は自由時間だ。持ち帰る物があるんでな』
『工作王:なにを持ち帰るんだ? お前、オーストラリアにいるんだろ?』
『髑髏丸:ああ、そうだよ』
髑髏丸がそう言うと、工作王や他の賢者たちも集まってきた。遠征という特殊任務を受けているので、みんな興味津々なのだ。あとは、持ち帰る品のお土産ポイントも気になる。
髑髏丸はバラの彫り物がされた棺桶型の私物入れを開けた。その中から、これまで作り貯めていた薬品を取り出す。
『工作王:お前が自由時間でコツコツ作っていたルミーナ草の芳香蒸留水か?』
『ネムネム:まさか!』
『髑髏丸:ああ、除霊案件だ』
『ネムネム:眠れなくなっちゃうイベントキターッ!』
すぐさまその情報はみんなに広がった。
そして、それはミニャの耳というか目にも入った。
「ネコ太さんのお仕事をみんなで見るの?」
近衛賢者たちが話しているのを見て、ミニャはネコミミをピコンと立てて興味を持ってしまった。
近衛賢者たちは、これは不味いと焦った。
過去の心霊動画は面白いところもあるが、怖い部分も多い。悪霊はすんごく怖いし、囚われた霊は悲惨だ。
自分の子供時代の経験を思い出してみる。
赤毛の人形が包丁を持って追いかけてくる映画やビジュアル最悪のゾンビ映画を親と見た賢者もいるし、井戸から女が出てくる映画を見た賢者もいた。いずれも怖い思い出で、おトイレに行けなくなったのをよく覚えている。
本日の近衛班長をしている乙女騎士が、ミニャに言う。
『乙女騎士:ネコ太がお仕事をするのはその通りなんですが、とても怖いアンデッドも出てくるんです』
ミニャはぴょんとお尻を浮かせて、「アンデッド!」とむむむ顔。
「ミニャ知ってるよ。骨のヤツとかでしょ? ミニャ、犬の骨のヤツ見たことあるよ。村に出てねー、お母さんが風の魔法でびゃしゅんってやっつけたの!」
そう言うミニャの姿に、賢者たちははたとした。
この世界には普通に実体化したアンデッドがおり、場合によっては遭遇することもある。冒険者になると除霊補助として任務につくこともあるとザインたちが話していた。
そうなると、アンデッドの恐ろしさを教えておくのも大切なのではとも考えた。
『乙女騎士:そうです。とっても怖いから、おトイレに行けなくなっちゃいますよ』
「でも、賢者様も一緒に見てくれるんでしょ? ミニャ、ネコ太さんがどんなお仕事をするのか知りたいなぁ。この前も覇王鈴木さんのことを応援したし、ネコ太さんのことも頑張れーってしたいなぁ」
こんなことを言われたら近衛賢者はキュンキュンである。
どうすればいいのかわからなくなった乙女騎士に、ニーテストが指示を出した。乙女騎士は頷き、ミニャに言う。
『乙女騎士:それじゃあニャロクーンさんと一緒なら見てもいいですよ。いいですか?』
「わかった!」
というわけで、アドバイザーとしてニャロクーンがミニャの家に招かれた。ニャロクーンは地球の悪霊と聞いて、ルンルンでやってきた。
髑髏丸が準備をしている間に、ホテルにいる竜胆にロバートから電話が掛かってきた。
すでに同じ部屋に待機しているネコ太は、闇の福音と闇人にシーッと指で合図した。なお、女子だけの部屋なので闇の福音は借りてきた猫状態。
『今朝ぶりですね。どうかされましたか?』
『リンドウ、お願いだ。どうか助けてほしい』
『話を伺いましょう』
英語で話し始める竜胆に、闇の福音は凄く負けた気分。
『友人……君も知っているナオマサなんだが、もうほとんど時間が残されていないようなんだ。情緒も不安定で……家から死の匂いがするんだ……いや、すまない。家のことは私の気持ちの問題か』
竜胆が確認するように視線を向けると、ネコ太は真剣な顔で頷いた。
『その依頼を引き受けましょう』
『本当かい? 依頼しておいてなんだが、私の目から見てもナオマサはもう死にかけだ。君にどのような伝手があるかはわからないが、助かるとはとても思えない』
『もちろん、すでに手の施しようがない可能性もありますが、やるだけはやりましょう。しかし、確実ではないことだけは承知してください』
『もちろんだとも。それでどうすればいい?』
『ナオマサ氏の住所を教えてください。このあとすぐに向かいます。ロバートさんもそちらへ向かってください。ただし、ボディガードなど余計な人員は連れてこないでいただきたい。理想は1人なのですが、可能ですか?』
『ああ、四六時中誰かが付いているわけではないからね、可能だよ。ふふっ、NASAかい?』
『そうですね。この依頼で起こることは、おそらく、ボディガードや付き人では口を閉ざし続けられないでしょう。端的に言えば、金になる。そういう事柄です』
『承知したよ。それで報酬はどうすればいい?』
『我々は宗教団体です。終わった後に、あなたが体験する奇跡に対していくら納めたいかご自身で考えて、お布施という形でいただきたい』
『君は宗教家だったのか。わかった、お布施という形で払おう』
『では、ナオマサ氏の住所をお願いします』
『ああ。住所は、あー、ちょっと待ってくれ——』
通話を終え、竜胆はふぅっと背もたれに寄り掛かった。
「そういうことだ。髑髏丸が帰還次第、出発しよう」
「ヤミノ君。出番だね。頼りにしてるよ」
「あ、うん。頑張ります」
ちょっと頼りない返事をする闇の福音を、髑髏丸の置いていった彼岸花がジーッと見つめた。
ナオマサの家は、シドニーの郊外、高級住宅が集まるエリアの奥まった場所に、他の家から少し離れる形で建っていた。
ロバートは住宅と住宅の間から入る緩やかな坂道の私道を車で上り、ナオマサ邸の敷地に入った。
そこには先ほど来た時にはなかった1台の車が駐車してあり、1人の男が立っていた。エンラだ。
『ロバート殿ですね?』
ウインドウを開けたロバートにエンラが問う。
『ああ。あなたは彼女の?』
『はい。話をする前に、車をあちら向きに停めてもらえますか?』
『わかった』
エンラが指示したのは、自分たちの活動がドライブレコーダーに映らない車の配置。
ロバートは停車させた車から降りた。
すると、先に来ていた車からも人が続々と降りてくる。
『オーマイガット……』
その面子を見たロバートの口から、思わずそんな呟きが零れた。
白衣姿のロリっ子を筆頭に、ふわふわ系女子、黒づくめ男子、人形を持った銀髪男子、ゴシックドレスの女子。それにプラスして、爺さんが2人。計7人。
『リンドウ。彼らが?』
『はい。少々怪しい面子ですが、腕は確かです』
『只者ではないのは見てわかるさ』
竜胆と挨拶をしたロバートは、次いでネコ太たちに向き直った。
「ロバートデス。よろしくデス」
ロバートは日本語で挨拶した。それに対して、竜胆が英語で言う。
『彼以外は英語ができるので英語のままで構いません』
『そうなのかい。それならお言葉に甘えよう』
英語ができないのは闇の福音だけ。他は語力の差はあるが英語が話せた。
『ロバートさん、まずは状況を説明しましょう』
『それをするのは私の役目ではないのかい?』
『いえ。あなたには表面しか見えていません。ご友人のナオマサ氏は確かに死にかけているのでしょうが、それの大元はおそらく病ではない』
『病気ではないだって?』
『はい。あなたがこの家に死の匂いを感じたのは正しい。この家は酷く呪われています』
『呪い……そうか、空港で見せてくれたあの術を使えば、この家の呪いを見られるということかい?』
『その通りです』
『それでは私にも使ってくれないか』
『それは構いませんが、まずは説明を。ナオマサ氏の病には悪霊が関わっています』
『悪霊……』
『はい。悪霊は通常、生きている者には手を出せません。しかし、悪霊の声を聞いた者や姿を見た者に対して強い干渉力を得ます。我々はこれをチャンネルが合うなどと言っていますが、現象として正式な名前はありません』
『チャンネルが合うか。概念としてはなんとなく想像できる』
『空港で見せたあの術を使うことで、ロバートさんはこの家の裏の姿を見ることになります。すると、この家にいる悪霊から干渉されるようになります。裏を返せば、あなたは私たちと共にこの事件の解決に命を懸ける必要が生じてしまいます。それでも構いませんか?』
『ナオマサは私の親友だ。あの優しいナオマサが理不尽にもこの世ならざる者に殺されそうになっているというのならば、この命を懸けようじゃないか。それに……』
ロバートは竜胆にニヤッと笑いかけた。
『まだ幼い君が私の友人のために戦ってくれるというのに私が戦わないのは、アメリカ男子の沽券に関わるからね』
格好つけたロバートだが、リンドウはクールに答えた。
『私は今年で22歳になります』
『ふぁ?』
ロバートは改めて、日本人はヤバいなと思った。アメリカなら、竜胆はどう考えてもスクールバスに乗る容姿だった。
なんにせよ、ロバートの覚悟は聞いた。
正直なところ、この展開を賢者たちは望んでいた。奇跡は人知れず行なうものではなく、基本的に見せなければならないからだ。
『では、その目でこの家の真の姿を見て下さい』
『わかった。よろしく頼むよ』
竜胆がロバートに霊視をかける。
その瞬間、ロバートの見ている景色が世界の裏の姿へと変貌した。
『……っ!?』
白い邸宅の壁には青紫色の血管のようなものが張り巡らされ、その隙間から覗く窓という窓には、この世ならざる者の影、影、影。
青紫色の血管は一行が立っている地面にも侵食しており、庭を囲って優しい景観を作っていた木々の幹には苦悶に歪む人の顔が浮かび上がっている。
かつてナオマサと語ったテラスから望めるプールの水は、冬の間に汚れただけでは説明がつかないほど腐り、その水の底にはたくさんの骨が沈んでいた。
『こ、こんなことが……ありえるのか……?』
『ロバートさん。このレベルの悪霊はおそらく異界を作ります。異界に閉じ込められた場合、悪霊を倒す以外に外へ出る方法を我々は知りません。引き返すのなら今です』
竜胆の言葉にゴクリと喉を鳴らすロバート。その瞳は竜胆と、その背後にいる奇妙な格好をした集団に向けられる。
そこに頼もしさを感じさせるマッチョメンは存在しない。だが、ふわふわ系女子も、ドレスの女も、白衣のロリっ子も誰も恐れを見せていなかった。
『……前提として、私が行くことで君たちを危険に晒すことはないかい? アレに対して、私は戦力にはならないだろう』
『多少のリスクはありますが、我々はあなたが想定しているよりもずっと強い。それに、あなたは確かに戦力にはなりませんが、ナオマサ氏と交流があるのはあなただけだ。あなたが来ることで、ナオマサ氏が助かる可能性は上がるでしょう』
竜胆の返答を聞いたロバートは、大きく息を吸ってから言う。
『男は40を過ぎたら自分の顔に責任を持てとリンカーンは言った。ここで逃げたなら、この先、世間がいくら私を褒め称えようとも、死にかけの親友を置いて逃げた腰抜けの顔を背負って生きていくのだろう。そんなのはごめんだ』
それを聞いて、髑髏丸がフッと笑う。
そして、足元に置いていたキャリーケースをロバートの前で開けた。
『俺の名前は髑髏丸だ。ロバートと呼んでも?』
『あ、ああ。もちろんだ、ドクロマル』
『では、ロバート。これを使ってくれ』
『これは水鉄砲?』
『見た目は安物だが、中に入っているのは魔を払う特製の聖水だ。基本的に俺たちがあなたを守るが、お守りとして持っていてほしい』
『わかった。使わせてもらうよ』
『終わったら返してくれ。それは世に出ると不味い代物なんだ。日本に帰る前にこの地で消去する必要がある。あと、こっちはライトだ』
それは来る途中で購入しておいたスケルトンタイプの安物の水鉄砲と、やはり安物のランタンタイプの懐中電灯だった。水鉄砲の中には、パトラシアからオーストラリアに直接持ち込まれたルミーナ草の芳香蒸留水が入っていた。
同じ水鉄砲を攻撃魔法を持たないネコ太と髑髏丸も所持する。
その時、ロバートのスマホが鳴った。
ロバートは一言詫びを入れて、スマホを見る。
そこにはナオマサの名前があった。
『ナオマサからだ』
『スピーカー通話で出てください』
竜胆の言葉に頷いたロバートは通話を始めた。
全員がその話に耳を傾ける。
『ナオマサ。どうした?』
『ロバート。すぐににげ——』
『『——庭にいるんだろう?』』
スマホ越しの言葉が途中で途切れ、ナオマサと知らない男の声が重なって聞こえ始める。
『あ、ああ』
『『周りにいる子たちと一緒に入って来なよ。君にさっきのことを謝りたいんだ』』
『わかった。行くよ』
『『早く、早く』』
『ロバート! 逃げてく——』
最後にナオマサ一人の悲痛な叫び声を残し、通話が切られた。
無機質な電子音をこの場に残したスマホを、沈痛な面持ちで見つめるロバート。
「っ! みんな、土地が異界化したぞ!」
対魔師にクラスチェンジした故か、真っ先に異変を感じ取った闇の福音が鋭く注意喚起する。
若者たちはハッと警戒を強め、年寄り2人は静かにギアを一段階高める。ロバートは7人の雰囲気が変わったことに心臓の鼓動を早め、周りを見回す。
「見て! 入り口が無くなってる!」
ネコ太が指さす先には、さっき車で通った入り口が無くなっており、代わりに薄暗い林が出現していた。近くに見えていた街灯や他の住居の温かな明かりも、遠くに見えていた都会の賑やかな光もどこにも見えない。
その光景を見て、ロバートは引き返せない領域に足を踏み入れたのだと悟った。
「エンラさん。もういいですか?」
「ああ、闇属性は構わん。竜胆は念のために家の中まで使うな」
闇の福音がエンラから許可を貰い、賢者たちは頷きあう。
闇の福音が闇の剣を出現させて、軽く振るう。
「高貴なる夜の化身が命じる。魔を喰らう闇の力よ、我が手に集え」
そして、闇人が真横に両腕を振るうと、広がった袖口から漆黒の鞭が出現し、高速で腕に巻きついていく。
「私もそういうのやりたいんだけどなー」
「ネコ太は聖女キャラだからそのままでいい」
その光景を目の当たりにしたロバートは、自分と友人が置かれた状況を忘れて息を呑んだ。
『り、リンドウ……君たちはいったい……』
只者ではない6人の仲間を背後に、白衣のポケットに手を突っ込んだ竜胆が名乗りを上げる。
『我々は最強女神教団。最強女神パトラ様を信仰し、使徒ミニャ様に仕える者。その名も賢者』
『最強女神教団……パトラ……ミニャ……賢者……ま、まさか……っ!』
世界に名だたるアメリカのクリエイターたちの誰も撮影方法がわからない謎の動画チャンネルが、ロバートの脳裏に駆け巡る。
『話はあとです。まずはナオマサ氏を助けましょう』
『あ、ああ……ああ! 頼む、ナオマサを助けてくれ!』
ロバートの真摯な願いに、賢者たちは深く頷き、呪いの家に視線を向ける。
まるでロバートを迎えるように、両開きの玄関がゆっくりとその口を開けた。
その光景を、髑髏丸が俯瞰モードで生配信していた。
依頼人ロバートと7人の賢者たち。その視線が向く先は呪いの邸宅。まるで映画のポスターにでもありそうなその構図に、視聴者の賢者たちは白熱した。
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いつも読んでくださりありがとうございます。
■あまりにも長くなってしまったので、分割して明日も投稿します。ただし、今回の話の掲示板回です。
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