『拝啓お父様。妹に全てを奪われ――』は、家も名誉も妹に奪われ、父からも冤罪みたいな理由で追い出された令嬢セレシアが、“手紙”という形で、今の自分と気持ちを綴っていくお話です。
まず、この書簡形式がすごく面白いです。
散々な状況で重くなりがちな導入なのに、スルスル読めました。
しかも「不幸でした」で終わらせないところが良いです。
手紙という一方通行の伝達手段なのに、ちゃんと物語として面白く読ませてくれるのがさすがでした。
“ざまぁ”っぽい短編ではあるんですが、芯にあるのは「奪われた側が何を思って、どう自分の人生を取り戻していくか」。静かでじわっとくる話です。
全3話でサクッとまとまっているので、短編でしっかり読後感を味わいたい人にすごくおすすめです。