暗黒竜、のんびり改革
@yamikazo
第1話 軌跡とリアル
5000年前___
「ウオオオオオオオオッ!」
黒曜の翼を大きく広げ、威嚇する。その様はまさしく世界最強の威厳を持つにふさわしいものの風格だ。
勇者たちは武器を構え、暗黒竜に向かってまさしく勇気あるものの眼差し、と言わんばかりに暗黒竜を睨みつける。
「ここで...貴様を倒す!」
勇者が高らかに宣言し、剣を暗黒竜目がかけて向ける、剣がキラリと光り、いつもより輝きを増す。
「来るがいい...人間共ォ!」
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現代
そう、我は偉大な暗黒竜なのだ。
........こんなものさえなければな
結界を爪でコンコンと叩き、デカイため息をつく、結界内には暗黒竜ただ1人しかおらず、静寂が包み込む。
我はバハムート、暗黒竜だ、今はまぁ.....訳あってこう封印されている。けして我は負けた訳ではない、......いや、負けてない!ただちょーーっと油断した隙に勇者の結界術が手強かっただけである。
いつまで封印されるのか、そもそもこれが解かれるのかもわからん。我は不老不死であるが故、尚更だ。
結界に殴ったりしっぽで叩いたりもするがビクともせず、諦めて寝転がるが、割れる音が聞こえる。
「ん?なんだ?」
天井を見上げると、少しづつ結界が割れているのが見える。
「結界が解かれている...?一体なぜ..?」
結界の破片が天井から落ちてくるがバハムートに触れると無くなる。まるで雪のように白く綺麗に見える。
「おお...我も自由を....」
だがまてよ?ここはどこだ?我が最後に封印されたのはどっかの山だった気がするが....ここは洞窟か...?
結界が消えると周りを見渡す、目に映るのは洞窟のだだっ広い空間で、でかい空洞が空いているだけであった。
「おお....光が見えるぞ..」
ズシリ、ズシリと歩き出し、夜景を一望する。
「美しい....」
何年...いや何千年振りだ?こんなに夜景が美しいとは思わなんだ。あそこに見えるのは国か!ここいらは昔辺境の地であっというのに、こんな所まで国ができているのだな。
我はすぐさま飛び立ち、世界を一望した。飛ぶのは久しぶりだが、体がちゃんと覚えていたらしい。
「空気が美味い......」
人息吸うと結界内の不味い空気とは段違いだ、それに久しぶりの外だ、我は何時間も飛び回った。
「ククク....決めたぞ..」
悪そうな声でひとり呟く。
「もうめんどくさい事には絶対に手出しせん!封印は嫌だからな!我はのんびり過ごしたいのだ!」
バハムートは高らかに宣言する、その時無意識に発したオーラは世界を驚愕させた。
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''聖王国エルシャルム''
「ぐぅっ!」
神官がその場で倒れ込む。
なんだね....今のオーラは...、圧倒的な強者の物...!?まさか....叔父上が話していた暗黒竜の再来の予兆だとでも言うのか....!?
配下が神官を囲む。
「シャルム神官!?どうなさったのですか!?」
「お告げだ...その時が来たのだ...」
配下達はザワザワと、慌てふためき、祈りを中止する。
礼拝堂は混乱で包まれ、神に祈る者もいれば、聖書を読み漁るものまで出てくる。
「混乱の再来じゃ、魔王に続き...暗黒竜まで...」
だがもし、あの大予言と同じだとしたら...
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''魔王城''
「.....!」
なんだ....?今の気配、只者では無いッ....!?まさか、初代魔王様が語っておられた、あの予言とまるでおなじ....。
「今の...感じたか、エルダー」
「はい、魔王様」
この気配のデカさ....恐らく人側にも知れ渡っているに違いない。
もし、あの予言と同じだとしたら...
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『世界が、滅ぶぞ!?』
暗黒竜、のんびり改革 @yamikazo
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