夏の空　突き抜け拓（ひら）く　我が夢路

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※ここから、悪役令嬢から王太子を奪った、男爵令嬢（聖女ヒロイン）編が４句続きます。

【男爵令嬢リリベル・ミレット（16歳）解説】

　ある日、奉公先の食堂で給仕をしていたら、気の荒い客に殴り倒されて前世の記憶が戻ったの！　それと同時に、丁度あたしを助けて介抱してくれたお忍びの貴族が、実の父親だったこともわかったのよ！　これって凄い偶然だと思わない！？

　幸い殴られたあたりの記憶は、あたしになった時に元の人格と一緒にどっかへ行っちゃったみたい。だからあたしは、元居た世界で「死んだ」――と思った瞬間、貴族に迎え入れられる場面だったわけよ。

　それから貴族の集まる学園に入ることになったわ。転生前は勉強漬けの毎日は嫌で、農業大学に通っていたのよね。結局そこでも勉強は滅茶苦茶必要だったワケだけど。けど、そんなことよりも楽しいことをいっぱい見付けて、気付けばサークル・クラッシャーなんて呼ばれてたわね。意味わかんないけど、色んな男の子たちと楽しくやってたわ。

　あら、けどこの学校もよく見ればカッコイイ男の子がいっぱい！　慣れない世界、慣れない習慣、慣れない事尽くしで気持ちが折れそうになってたけど、俄然張り切りたくなっちゃったわ。