100マイルキラーのわたくしですわ。
「日本では、仙人のようなバッティングと言われているみたいです。100マイルのフォーシームをまるでトスバッティングするかの如く運んでいきました」
やや高めのボールをビタッとね。
何百回と映像とイメージの反復を重ねてきましたから。
後は実際に対戦してどうやねんというところで、ひと振りでヒットに出来たからよし。
これで俺もニューヨーカーだ。
カキィ!!
「バーンズの当たりも捉えた!しかし、ショートライナー!!アライが急いで1塁に戻りました!2アウトです」
ゴシュッ!!
「クリスタンテもライトへ運んだ!!ライト後方!!………下がっていきますが、フェンスの手前こちら向き掴みました!3アウト!初回、アライにヒットはありましたが、シャーロット打線を0に抑えています!」
惜しい。しゃーないな。
俺は2塁から3塁に向かおうとしたところでアウトを確認してベンチに戻る。
「ナイスヒット!」
前村が俺にそう言われながら、スキップするような足取りでベンチを出てマウンドに向かっていった。
「ボールは持ったぜ!」
と言ったバーンズのデカイおケツに着いていってセンターまで走り、レフトに投げられたボールを、尻尾を振りながらボールを追いかけた。
バカみたいなことをして疲れた。
しかしこんなバカなことでもしていなければ11連戦なんてやっていけないですよ。
ズバァン!!
「ストラック、アウッ!!」
オッケーイ!!
向こうが100マイルなら、こっちは98マイルよ。
本塁打ランキングトップをいく、ニューヨークの3番アレッサンドロ・スミスは、スライダーがスプリットの意識があったのか、アウトコースいっぱいのストレートに手が出ず、見逃し三振。
前村君も初回無失点ピッチング。上々の立ち上がりとなった。
俺の2打席目。4回の先頭で回って来ましたわ。1打席目は高めをビタッと合わせていけましたから、少し余裕がある。
バッテリーの考えがなんとなく分かる。名門ニューヨークでローテーションピッチャーを張り続けている男ですから、フォーシームを打たれたからって、次は変化球入りということではあるまい。
フォーシームを打たれたのなら、今度はもっといいフォーシームを。
そんな気迫、意地のようなものをビシバシと感じますよ。しかし、コントロールだけはちゃんとして来そう。
インコースにビュバッと投げ込んでくるはず。
ここまで思考すれば、後は相手ピッチャーを信じるだけだ。
ビシュッ!
ビュバッ!!
カキッ!!
詰まった!いてえっ!
それでも、手応えはある。
「また初球だ!セカンドの上!ジャンプ!!捕れない、捕れない!グラブで弾いた!すぐに拾いますが……投げられません!!記録はヒット!セカンドへの内野安打でした!」
「インコース。しかも、101マイル。今日最速のフォーシームですよ。それをしっかりと見られながら、また右方向に運ばれました。これが日本人バッターの技術なんでしょうか」
「そうですね。スコールズもフルパワーで投げ込んだ1球でしたが、空振りでもなく、ファウルでもなく。
またライトフィールドへのヒットです。セカンドのホーキンスもあと少しのところでした。地面をパンチしています。悔しそうです」
押し出しましたわね。バットのヘッドを返さないようにギリギリまで面を向けながら押し出すように打ち返した。
1人3000円くらいの和食を食べにいった時に出てくるところてんみたいに。
心太と書いてところてん。
竹を割ったような器に、四角い箱の中身をならし棒みたいなやつで、ウニュッと自分でやって食べるやつ。
食べたことはないけど。
アメリカのスーパーに、ところてんはないわねって話。
納豆は結構ありますが。
ガキッ!
「打ち上げた!高く上がりました、バーンズはショートフライで1アウトです」
ブンッ!!
「空振り三振!!最後はまた101マイル!!スコールズは今日6個目の三振を奪いました!」
ガツッ!!
「変化球、バットの先!アンドリュースはセカンドゴロに倒れまして、スコールズ。この回アライにヒットを許しましたが得点与えません。0ー0が続きます!」
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