三つの偽りを身にまとい、社交界という名の伏魔殿を強かに生きる主人公「ヌイヴェル」
一人の老紳士が遺した「呪い」のような遺言状を、知略で攻略し、
そこから「真に継がれるべき意志」を導き出す。
その手際の良さは、ミステリーとしての愉悦と、
ファンタジーとしての圧倒的な興奮を同時に味わせてくれました。
物理的な暴力ではなく、相手の「記憶」と「嘘」を材料にして、
自ら掘った墓穴へと突き落とすヌイヴェルの知略。
敵の無知を嘲笑いながらも、商売人としての契約は死守する彼女のプロ意識が、
物語に芯を通しています。
手際の鮮やかさにすっきりとした興奮を覚えました。
まだ1章が終わったところですが、続きもゆっくりと読んでいきます!
■あらすじ
自らを“魔女”と称する高級娼婦にして男爵夫人のヌイヴェル。
「肌の触れあった相手から情報を抜き取る」魔術。
磨き抜かれた知性と教養。そして類い希なる美貌。
全てを駆使し、世の光と闇の中をしなやかに、軽やかに、鮮やかに歩み渡る――。
これは、そんな魅惑的な一人の女性と、彼女を取り巻く人々の物語。
■おすすめポイント
※第四章までの内容を元に書いています※
(1)様々な“顔”を使いこなすヌイヴェルの魅力
魔女で、高級娼婦で、男爵夫人。
その時々に応じて、これらの顔を使い分けるヌイヴェルは、妖しさを湛えた美しさと突出した才知を持つ女性。
商売人の家系の人らしく、商いには厳しい。
けれども単にがめつい訳ではありません。
家族を愛し、人情もあり、一本筋の通った姿は気品を感じさせます。
読んだらきっと、あなたもヌイヴェルの不思議な魅力に、きっと惹かれる筈!
(2)“語り”に引き込まれる
物語は基本的にはヌイヴェルの語りで進められています。
この語りに引き込まれます。
上品ながら堅苦しくはなく、時に茶目っ気も感じられます。
この語りも相まって、物語世界にぐっと引き込まれていきます。
話数は現段階100話と、なかなかに読み応えのある話数に見えますが、この語りの為か、するすると読めてしまいます。
(3)物語が進めば進むほど謎が深まる
物語は、章ごとに異なる登場人物がクローズアップされて展開します。
思わぬところが後の章で関わって来たりと、緻密に組まれた構成も見事な本作。
現段階は、ヌイヴェルの出生にまつわる謎が展開してきています。
この世に支配者として君臨する“雲上人”。
そして、亡き今なお至る所に強力な影響を及ぼし続ける、ヌイヴェルの祖母たる大魔女・カトリーナがどう関わっているか……。
今後の展開も楽しみです!
■こんな方に
☑ヒューマンドラマ要素のあるファンタジーが好きな方
☑蠱惑的な魔女の“語り”に酔わされたい方
☑妖艶で才知溢れる女性が主人公の物語を読みたい方
夢神蒼茫さまといえば、私の中では、ねぎ農家さんで
ヨミヨミするものは「ぶつ☆もん」エッセイですが、
それとはガラッと違う世界観のカクコン参加作品を紹介します。
娼婦が舞台ということで、お仕事は……ですよね。
まさかただのエロい話(すみません💦)なのかと、
恐る恐る読み始めましたが、安心してください。大丈夫でした。
妖艶な雰囲気はそのままに、ご想像におまかせスタイルです。
肌の触れ合った相手から情報を抜き取る魔術をもつ、
それを活かした高級娼婦にして魔女で男爵夫人のヌイヴェル。
男爵夫人なのに――?
なぜその地位でありながら高級娼婦なのか、ヌイヴェルは語る。
その語り口調も上品ですが、魔女だけに魅惑的で、物語に引き込まれます。
陰謀渦まく社交界を華麗に軽やかに乗り越えていくのでしょうか。
まだ第一章、二章までしか読んでおりませんが、
章ごとにヌイヴェルの意外な一面が見られます。
とはいえ魔女です。
油断しないほうがいいですよ(ΦωΦ)フフフ…。
おススメします!
ヌイヴェルは肌の触れ合った相手から情報を抜き取る魔術を使う魔女。
そんな彼女は高級娼婦でもあり、男爵夫人でもある。
娼婦と聞くと淫猥なイメージばかりが先行するだろうか。しかし、この話は娼婦と言うよりも、ヌイヴェル自身に焦点を当て、更には彼女と関わった者達とのストーリーがメインである。
ヌイヴェルの手腕と、利発さ、悪意や陰謀が渦巻く貴族社会での立ち回りと、女性では――更には魔女や高級娼婦といった身分では生きにくいであろう世界でも、気高く美しくある姿に注目していただきたい。
私もまだ、ストーリーを追っている途中だが、どの話も引き込まれるものがある。
オススメです。
女は複数の顔を持つ、というが、この物語の主人公・ヌイヴェルは高級娼婦であり、男爵夫人であり、魔女でもあり、その時々でふさわしい顔を見せている人物である。彼女の娼館を訪れる様々な客たちに楽園のひとときを味わってもらうために高い知性をそなえている。
そんな彼女は、長年のなじみ客の死に際して相続問題に巻き込まれる。亡くなった伯爵が、ヌイヴェルに遺産の半分を遺すという遺言書を書いていたからだ。相続人たちは当然激怒するが、ヌイヴェルは怯まない。それどころか、相続人たちの醜悪さ、犯した罪を逆手に取って鮮やかに対処していく。
感想:物語はヌイヴェルの一人称の語りで紡がれるが、その語り口が上品でありながら、妖艶さもあり、たまにかわいいところも覗いていて心地よい。
娼婦であるために時には生々しい性の事を述べることもあるが、不思議と彼女の表現は気品がある。美貌と才知と魔術で、陰謀渦巻く社交界を鮮やかに乗り越える様は読むものを心地よくしてくれる。まさに彼女は高級娼婦である。
オススメです💖