第25話

浅井side


暗闇の中、俺たちの吐息の音と唇が重なる音だけが響き、月島先生は俺の首に腕を回してキスに応えてくれる。



不器用な俺が夢中になって月島先生の唇を啄むと先生は潤んだ瞳で俺を誘う。



俺は汗でへばり付きはじめたTシャツを脱ぎ捨てると、月島先生は肩で息をしながら手を伸ばし俺の胸筋に触れた。



俺はゴクリと喉をならし先生にされるがまま見下ろす。



すると、月島先生はニコッと微笑みキスを求めるように唇を尖らせると俺はその唇に吸い寄せられるようにまた、月島先生の唇を塞いだ。



興奮して身体は燃えるように熱いのに指先だけは緊張からか冷え切っていて、月島先生のTシャツの中に忍ばせた震える手で身体を撫でると月島先生はピクッと身体を跳ねさた。



ベッドに寝転がり、俺が触れるたびに反応してくれる先生が愛しくて堪らない俺はもう、何も考えられなかった。



月島先生の身体には力が入り、俺の身体に爪を微かに立てる。



凸「先生…やば……好き……」



俺がそう言っても月島先生は潤んだ瞳で俺を見つめるだけでその言葉にこたえてくれない。



凸「月島先生…先生が本気で嫌なら…もうやめるけど…どうする?」



俺が目を見つめながらそう問いかけると月島先生も潤んだ瞳で俺を見つめる。



カチ…カチ…と時計の針が進む音が部屋の中に響きこの世界には俺と月島先生だけしか存在しないんじゃないかと勘違いさせる。



どんなに見つめ合っても先生の口は動く事はなく、ここまでやっといてマジで…と思いながら諦めかけた俺が「分かった…ごめんね先生、変な事して。」そう言ってベッドから起きあがると…



凹「男の人とのヤリ方……浅井くんは知ってるの…?」



月島先生はベッドに座り先生に背中を向けた俺にそう問いかけた。



この人はどこまで俺を子供だと思ってるんだろう…?



そう心の中で思いながら俺は答える。



凸「この歳になれば普通は知ってるよ。ってか、知ってたとしても先生は俺とはシたくないんだろ…いちいち聞くなよウゼ…」



わざとそうやって反抗的な態度を先生にとり、立ちあがろうとしたその瞬間…



後ろから月島先生に腕を引っぱられ、俺は最も簡単に月島先生に組み敷かれた。



油断していた俺はベッドに仰向けのまま倒れ込み今、月島先生をただ呆然と見つめる。



凸「……は……!?…な…なに…これ……」


凹「後悔しても知らないからね……」



月島先生はそう言うと俺の唇を塞いだ。




つづく

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