第20話絶望は突然に
王聖「おっ第一村人発見かな?」
そう言いながら近づいてきたのは、王聖と言う男だった。そして俺達は何故か自己紹介をする展開になっていた。
王聖「僕は
最初に話しだしたのは、王聖くんいかにもな好青年で俳優の雲隠とためをはれるほど顔が整っているのが特徴だろうか。
月美「あーしは、
次は月美さん。見れば分かるがギャルだ、適度な日焼けが健康的で良いと思う。目のやり場に困る服装をしているのをどうにかして欲しい
アメリ「皆さんどうも初めましてデス。ワタシ、アメリ・ルージュって言いマス。20歳、好きな食べ物はスシ!I love ニッポン!!」
アメリさんは…分からない!金髪の女性で片言の日本語、名前からして、おそらく外国人なんだろう。ただその甲冑は何?いくら日本好きだからって私服甲冑はないでしょ。後は…ちょっと痩せてる?いや僕の外国人のイメージが偏っているだけか。
霧谷「これ私もやるの?
うわぁ〜凄まじい塩対応…近づくなオーラが凄い、白髪で青い目をしている、そして肌が鬼のように白い、なんだろう?雪女みたい。
高見「僕は
声は小さく、人の目を見るのが苦手なのか常に下をむいている。うん、完璧に同族だ、僕のチームスペック高かったからなんかホッとする。友達になりたい。
桜木「ご丁寧にありがとう。ではこちらも、私は桜木凛、好きな食べ物は和菓子で、能力は…」
闇野「あーーー!ちょっと待って下さい。」
僕は慌てて先輩の口を塞ぐ
闇野「お互い能力の詮索は無しにしましょう。ね?」
桜木「分かった、分かったから手をどけろ」
それから先輩は少し不服そうに引き下がった。なぜ不服そうなのか…
そして僕らは簡単な自己紹介を済ませた。お前陰キャなのに自己紹介出来るのかって?本当の陰キャは波風立てようにやるから自己紹介くらい出来るんだよ。
自己紹介が終わったタイミングで王聖がこんな事を言ってきた
王聖「もしかして君たち青チームだったりしないかい?」
桜木「そうだが、どうした?」
この人はまた勝手に情報を…先輩は人を疑う事を覚えて欲しい
王聖「グッドタイミング!僕らさっき青いゲートを見つけたんだよ。」
桜木「!?それは本当か?」
月美「マジよマジ、ゲート見つけたと思ったら青色でマジがっかりだったんよ」
桜木「場所は!?」
焦っている先輩を王聖がなだめるようにこう言った
王聖「まぁ落ち着いて、どうせなら一緒に行かないかい?」
闇野「なぜ?そちらにメリットは無いでしょう?」
王聖「どうせ僕らのゲートは見つかってないし、久しぶりにあった生存者だからね。」
なんか怪しくて口を挟んだが怪しんでいるのは僕だけのようで、結局皆でゴールに向かうことに事になった
それからそこそこ歩き……
王聖「かなり暗くなって来たね。一度休憩しないかい?丁度少し行けば広場のはずだ」
闇野「でも暗くなっているということは、ゲーム終了まで時間が無いってことですよね?急いだほうが良いのでは?」
王聖「この迷路、足場が悪い所が多い上にかなり入り組んでいる。暗いと効率が悪いんじゃないかな」
と、論破されてしまった。なんだろうこいつの思い通りになっているのが嫌だ
王聖「そうだ高見くん、君の能力は見張りに向いているだろう?その能力で僕達を守ってくれないかい?」
高見「いや…僕も少しは休みたいんだけど…」
王聖「お願いね?」
王聖の圧に押されてれて高見くんは見張りに行ってしまった。こういうのは凄く嫌だ。
そして僕達は広場に座り雑談が始まった。
月美「ずっと聞こうと思ってたんだけど、もしかして君俳優のジェイドだったりする?」
雲隠「ああ、僕があの天才俳優!雲・隠・ジェ・イ・ドだ!!」
月美「やっぱり!!わたし、こりこい大好きで!」
桜木「こりこい?なんだそれは」
月美「りんりん知らないの!?」
桜木「ああ、すまない部活と生徒会で忙しいものでな」
月美「もったいないよ!」
桜木「押しが強いな、そんない面白いのか?どんな話なんだ?」
月美「凍るような君と恋がしたい。約してこりこい!人見知りで氷の女王と呼ばれるヒロインと太陽の様な主人公の王道ラブコメ!キュンキュンシーンが多くて最高なんだから!」
桜木「こ…今度見てみよう」
先輩が押し負けている。月美さん強いな、それよりこりこいか…漫画なら読まされた事があるが、ドラマ化されてたのか、知らなかったな。今度見てみようかな…
王聖「そんな有名俳優がこんなゲームに参加するなんて、どんな願いがあるのかな?」
誰も踏み込まなかった領域に踏み込んだことで一瞬の沈黙が流れる。
雲隠「まぁこの完璧超人にも叶えたい願いの一つや二つはあるということだ。」
王聖「そうだよね〜人間だもんね、叶えたい願いくらいあるよね。ちなみに僕は世界平和何だけど皆のを聞いても良いかな?」
世界平和て、絶対嘘じゃん。それに自分の願いを言いたがるやつなんていないでしょ。
桜木「私も世界平和だぞ!まぁ叶えたい願いが無いだけだがなw」
いたは、何でもかんでも言う人、てかこの流れはまずいんじゃ…
剣「俺は妹の為だ」
そうなるよね〜願い言うフェーズになるよね〜
月美「私はね〜恋愛関係かな?」
神姫「私は…自分の事ってことだけ言っておくわ!」
アメリ「ワタシのねがいごとはボコクのことデス。」
闇野「僕も人間関係とだけ…」
霧谷「………」
いやっ!!言わないのありなのかよ?!じゃあ言わなきゃ良かった…
それから俺達はさっき会ったばかりとは思えないほど笑いあった。元々こんなゆっくり出来る事などめったに無いのも影響して、仲がかなり深まった。(僕は全然喋って無いよ)
それから喋り疲れて眠る者も現れた頃
神姫「下僕!起きてるかしら?」
闇野「起きてますけど…」
神姫「あなたの願いもっと詳しく教えなさい!」
闇野「嫌です。てかそんなに聞きたいならまず自分の事を話したらどうですか?」
こうやって言っておけばこちらに踏み込まないだろう
神姫「…私は友達が多いわ」
え?言うの?マジ?てか初手自慢かい。
神姫「でもそれは私の友達じゃ無いの」
闇野「ん?」
神姫「まぁ分からないわよね。」
そう言って寂しく笑いながら話を続けた。
私は毎日楽しかった。友達と笑って家族にも愛されていた。でもそんな幸せは、長く続かなかった。
ある時の合唱コンクールの時だっただろうか?よく覚えていないくらい昔の何かの大会の時だ、その大会は負けてしまって皆泣いていた。でも私は泣けなかった。だから私は泣くフリをした。そこで私は思った、全て偽りだったのだと。それから私は本当の自分を探した、なるべく本心で話すようにしてみたり、とにかく好きな事をしてみたり、でも変わらなかった。そしていつからか本当の自分を見失ってしまった。だから私は自分を正当化するために、こんな事を言うようになった。
神姫「私は何をしても許される何故なら神で姫なのだから。ってね」
闇野「……」
何も言えなかった。正直ただの腹黒いJKくらいにしか思ってなかったから。
神姫「は〜私らしく無いわね、こんな事を言うなんて」
闇野「俺は羨ましいよ。」
神姫「はい?」
情報を飲み込んだ後俺は話出した。
闇野「俺はさ、そういう嘘がつけなくて友達がいないわけで、その性格で色々苦労したんだろうけどさ、俺は正直羨ましいと思っちゃうかな。」
神姫「……」
あれ?なんかまずい事言ったかな?
神姫「って!話を逸らさないでよ!あんたの願いは何よ?そんなに話したく無いってもしかして恋人の事とかじゃ…」
闇野「はは…友達もいない俺に恋人なんて、いるわけ無いだろ?」
神姫「そ…そうよね?あんたみたいな奴に恋人なんてね〜」
闇野「幼馴染だよ…俺が殺した、幼馴染…」
神姫「え?あんた殺したって、冗談でしょ?」
神姫は明らかに焦っていて、さっきのピンクの空気は消え去った。
闇野「冗談じゃないさ、だから生き返らせるんだ。」
沈黙が流れた。その沈黙を破ったのは意外な人物だった。
高見「皆!早くにげっ」
グシャっと高見くんが潰れた。さっき話した同い年の子が死んだ、
そんな絶望をかき消すほどの事が起きていた。
ミノタウロスA・B・C「ブモオーーー!」
三匹のミノタウロスが僕達を狙っていた。
皆に少しの幸せを まくっち @makutti
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