9 ???
わかっていたことだった。
どうせこうなるだろうと、心のどこかでわかっていた。
でも、二人を信じてみたいと思う気持ちもあった。
二人なら、何事もなく今日を終えてくれるんじゃないかと、期待する気持ちもあった。
だけど、私が二人を信じ切れていなかったことを、彼に看破されてしまった。
だからこれはある意味、自業自得だったのかもしれない。
扉の隙間から、部屋の中を覗き込む。できるだけ音を立てないようにここまで来たけど、きっとその人は行為に夢中で、多少の音なら気にならないだろう。
私の目が、扉の隙間からその行為を一心に見つめていることだって、どうせ気付かない。
ひどく冷静にその行為を眺めて、私は思う。
こんなのは、間違っている。
これは、然るべき罰によって戒められるべき行為だ。
だってそうだろう。法律にそう書いてあるんだから。
私はその人がことを終えるまで、ずっと扉の隙間から目を離さなかった。
私はこの光景を見届ける必要がある。私だけがこの罪の証人になれるんだから。
まあ、こんな終わりになってしまうのは、私も心外だったけど。
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