不幸ポイント引換券

某フィギュアスケーターがとある対談で不幸ポイントを貯めていた時期があったと話していた。最近の私はその不幸ポイントとやらを貯めている真っ最中である。


1ヶ月前、自宅のガレージが開ききっておらずバック駐車で突っ込み車とガレージを破損させた。翌週公園で友人の犬と走ってたら派手に転んで両膝を擦りむいて右足首を捻挫。数日後、コンビニの自動ドアが反応せず友人と話しながら入ろうとしたら追突。先々週、料理中に手が滑って包丁で指を切って縫う羽目になった。かなり深く切ったらしく未だに抜糸が出来ていない。そして今は風邪でダウンしている。咳が止まらない。


ここまで不運が続くと何か見えない力に嫌われたような気さえして、パートナーに「一緒にお祓い行かへん?」と頼んだら「全部君の不注意でしょう」とバッサリ切り捨てられた。そう言われて思い返してみるとそうなのだが、そういうことではないのだ。


個人的に人生はクソゲーだと思って生きているから多少の理不尽やトラブルはなんとかするし、ダメそうなら周りの人間に頼ったり使える物は使って対処する。神頼みは言わば最終手段。RPGでギルドや教会に助けを求めるのと同じ感覚である。

クソゲーでもやり込んで攻略すれば楽しくできるし、デバブが発生したところでやり直しすればいいだけ。全ての人間はそういう靱やかな強さを持つべきだと思う。

「人は誰の奴隷でもない、そんな事の為に産まれてくるのでは無い、他者に虐げられても屈することない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正があれば正すことを恐れず獣に媚びない、不羈の民になってほしい。己という領土を収める唯一無二の君主に」という言葉が十二国記という作品に出てくる。私は中学生の時からこの言葉を人生の指標にしている。どんなにつらいことがあっても、この言葉を思い出すと負けないぞ!という気持ちになる。

きっと今はもう世界中どこに行っても同じような地獄が広がっている。ユートピアなんて存在しない。それならどの地獄に身を置くかは自分で決めたい。自分で選んだ地獄でなら幸せも掴み取れると思う。


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