ゾンビの伝説 魔法使いの旅

浅倉 茉白

第1話 ハナレバナレ

 会いたいよ。お母さんに会いたい。


 お父さんには、わからない。お父さんは、いつも何かをしている人だった。自分はあまり構ってもらえなかった。


 自分はお母さんの看病をよくしていた。元気な頃も知っていると、正直それも辛かった。


 辛かったけど、まさか会えなくなると思ってなかった。


 それはお母さんが死んじゃったからじゃない。わたしはある日起きたとき、洞窟にいた。


 何もわからなかった。小さく、寒く、震えていた。


 そしたら、どこかから声が聞こえた気がして。


 手から炎を出せて、暖をとれた。


 魔法を使えるようになったんだ。


 魔法のおかげで、生き延びれた。


 体力が落ちても、回復の魔法で大丈夫。魔力の回復は、時間経過かな。


 外の世界は広かった。果てしなく広がって見える荒野や、草原。こんなの、町にいるときは見たことなかった。家の外に出ることも珍しかったかも。


 それがなぜわたしは洞窟にいたんだろう。お母さんは無事だろうか。


 歩みを進めれば、わかるかな。

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