⑤-3

令和7年11月12日

神栖柄 のどか 様


休職指示通知書


拝啓 日頃より当社の業務にご尽力いただき、誠にありがとうございます。

このたび、貴殿の心身の状況および、最近の勤務外における一連の出来事を踏まえ、

産業医並びに人事部の判断により、下記の通り休職を指示いたします。



■休職期間


令和7年11月12日 ~ 令和7年12月10日(4週間)



■休職に至った背景(※詳細非公開)


近時、貴殿を取り巻く状況について複数の報告が寄せられ、その内容は貴殿の心身に相当の負荷を与えていると認められました。


本件については、関係者への聞き取りを含め、

当社として慎重な対応を必要とする事案であり、

詳細について文面での開示は控えます。


ただし、産業医の所見として、

「一定期間職務から離れることが望ましい」

という見解が示されており、これを尊重する形での措置となります。



■休職中のお願い

1. 休職期間中は、業務への従事を一切認めません。

2. 通院・相談等、心身の安定を目的とする行動は妨げません。

3. 復職に際しては、産業医の面談および人事部の確認を必要とします。

4. 必要に応じ、人事部より連絡を差し上げる場合があります。



今回の指示は、処罰を目的としたものではなく、

貴殿の安全および健康を第一に考えた措置です。

どうか、この期間を心身の回復に充てていただきますようお願い申し上げます。


敬具


株式会社 I.E.Global

人事部 阪野 晴之

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手紙の内容を把握するのには、文章を読まなくてもポストに投函された封筒を見て8割は見通していた。


今回の一件で、処分を受けたのはのどかだけで

後の2人は平然と会社に出社をしている。


あと数週間後には死んでいるのだから問題はないと

のどかは部屋のソファーに身を委ねた。

清々しい気持ちのほうが大きく、処分に関しては

冷静に捉えて憤慨することもない。


先日の結婚式には重役の社員たちも複数人出席していたため、休業になる程度で良かった部分もある。


この部屋で息を吐きとるのかなぁ。


のどかは天井をぼんやりと見つめた。

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