やり取り①
愛華は巧のトーク配信から数日経ってからもずっとDMを送ろうか迷っていた。
だが「私も見ました。」と装うファンと同じになって埋もれてしまうんではないか。そもそも送ったら所で返事は来ないだろうし巧だって本気でDMを待っている訳ではない。
色々悩んだ末「次見たらDM送ろう」と心の中で決めた。
その夜に夢を見た。だんだんと近付いている男性は確実に巧で間違いない。だが今回いつもと違う事があった。
今までは走っているだけだったが今回は手を振りながらこちらに向かっていた。
朝起きて愛華はDMをする事を誓った。
『たく君が見ている夢の相手は私かもしれません。昨夜のたく君は手を振りながら走り向かってきていました。トーク配信での夢の話を聞いて私はずっと頭から離れずDMを送ろうか迷っていましたが、次見たら送ろうと決めていて昨夜見たので連絡させて頂きました。』
朝起きて携帯を開くとこんな内容のDMが来ていた。
グループのインスタのDMは時々見る程度だったがあの夢を見始めてから毎日確認するようになった。
初めはまたなりすましかと思ったが、昨日の夢は確かに俺は手を振りながら走っていた。彼女を見つけ嬉しそうにしていた。
もしかしたらこの子は本当にそうなのかもしれない。返信をしたくて仕方ない。でも嘘だったら?しかも周りに言いふらされたらとんでもない事になる。そして何よりこのアカウントはグループの共同で作ったものだ。
だが彼女の名前、そして投稿されている顔写真を見ると何だか懐かしい気持ちになった。きっとこの子で間違いない。そんな気がした。
仕事が終わり家に帰ると手が勝手に動くように新しくアカウントを作成し誰にもバレないよう彼女のアカウントのみフォローしDMを送った。
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