概要
海に帰るまで、泣くんじゃない
日本人の父とイギリス人の母の間に生まれた幼子は、田舎町ブリストルで育った。当時はそのまま永住する予定だったので、現地に馴染みやすいよう英語名で「ノヴァ」と命名された。しかし、物心つく前に母が海で溺死してしまう。父と共に日本に移り住んだノヴァは、海に特別な想いを抱き、いつも憧れの場所としていた。そんな或る日、奇妙な体験をした。右手を通して海の声を聴いたのである。それをきっかけに、ノヴァは母の謎を突き止めるべく、こころの旅をはじめる。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!祈りは届くということ。どんな形でも、涙が出ても、幸いであるということ。
とても安定した文体で詩情に富み、なんのストレスもなく全話読み終えました。筆致は素晴らしいのひとこと。ストーリーテリングも見事で、終盤、一気に引き込まれました。
登場人物たちもファンタジックに謎めいていて、でも人間臭いところもあります。
「それで、結局これどうなったの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。読者にできることは読むことのみ。大海に浮かぶ一艘のボートを作者によって引き揚げられるのを待つだけ――と思っていましたが、この作品ではプラスアルファがあります。
『祈り』——これが読者に委ねられた、ラストのさらに先の物語です。幸せになっていたらいいな、とか、泣かずにすむ日があるとい…続きを読む