第49話
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庭では騒ぎを聞きつけ駆けつけた変成王が使わした馬廻(うままわり)が自身の家臣とともに駆けつけて状況の検分に当たっていた。だがいかんせん彼らは所詮は将士の一員だ、曲者が何者かなどを割り出すなどの任には向いていない。
竺漢韓倭地獄は長い平穏のなかで、間諜の能力をいちじるしく低下させていた。そのつけがまわってきているらしい。
曲者の鬼たちの死体の周囲にそれぞれ輪をつくるがなにか真相につかむ事柄を見つけ出す様子はうかがえない。無為に推論を交わすばかりだ。
それを尻目にメルショルたちは、障子や襖が壊れて二間(ふたま)続きになった部屋にあつまって談合していた。
「やっぱり、変成王の野郎の手下か」
善鬼が今すぐにでも切り込みを敢行しかねない凶暴な表情で話を切り出す。そのようすを目の当たりにすると、伊藤一刀斎が善鬼を後継に選ばなかったことにも得心がいくというものだ。
「それはどうかの」
勘助がそれに淡々と異論をとなえる。
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