第49話 【10月19日】
地下鉄の駅でよくポスターを眺める。先日の吉永小百合の時もそうだったのだが、ボクは暇な時ポスターを眺めながら考え事をする癖がある。
ポスターのモデルになる人種は自分がこんな公衆の目に晒されることをどう納得してカメラの前に立つのだろうか?まあ、だからこそのスタイルの良さや笑顔なのは分かる。しかし一度でも自分のポスターを自分の目で眺めたらその自信は大きく揺らぐことはないのだろうか?
「え?私、読者モデルだったことあるんですよ」同僚のいつもの甘ったるい声が一際響いた。
「でも大変じゃない?周囲にバレたりしたら」
「そんなことないですよ~。だって私、自分からその雑誌の宣伝までしてたんですから」
なるほど、そんなものなのか。やはり自分の写真が載ったものは周りの人にも見てもらいたいものなのか?分からない。自分の容姿がどうこうというより、人目に自分を晒すということがボクにはもうウンザリなのだ。
「Tさん、最近痩せませんでした?何か体の線、イイ感じですよ~」
不意に言われて一瞬自分がポスターに載ってる絵が見えて戦慄した。
「そんなことないよ」
多分上手く笑えてなかっただろう。
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