第24話 【9月24日】
急に肌寒くなってきた。今年は思いがけなく猛暑だったが冷え込みも不意打ちでやってきた。ボクは小さい頃体が弱くて毎月のように風邪をひいていた。それは女の月のものより正確で、一緒に住んでいた祖母に連れられよく病院に通っていた。
ボクはお婆ちゃん子で、末っ子だったせいもあってか猫可愛がりに育てられた。それでもボクがあまりワガママにならずにすんだのは、祖母の清貧な性格と毎月の風邪のおかげだろう。言わば風邪はボクにとっての「月に一度の落とし前」で、ボクは普段の甘ったれさ加減を高熱という禊ぎでどうにかまかなっていたのだ。
その祖母が米寿直前で亡くなる前、ボクと顔を合わせる度に「食べるものだけは省いたらだめ」と言っていた。「うん、分かってる」ボクがその度に笑顔で応えると、祖母は終の住処となったベッドの上で満足そうに頷いてみせた。
あれから早や十年。ボクは祖母の言いつけに半分背いて日夜体を軋ませている。祖母の少し困った顔が脳裏によぎる。
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