町の落書きをやめさせるコツ(100%できるかは、運?)

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 町の壁に落書きする犯人と戦ったら…?「犯人を追い返した意外な方法」に、やるな!

   (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

  ☆

 「また、落書きされている…」

 「うちの大学の壁は、キャンバスじゃないのに」

 「ああ…」

 「これじゃあ、汚い大学だと思われる」

 「犯人は、だれ?」

 「だれだ!」

 落書きをされた大学側は、激怒。

 大学の大人たちが、動き出し…。

 ついに、落書き犯がつかまった!

 犯人は、高校生。

 世界に 1つだけの画家になりたいと願う、プライドの高いアーティスト気どりの男。

 「また、あの世代か…」

 「こういう子が、将来、アーティストとして活躍するんでしょうか?」

 「無理でしょ」

 落書き犯には、厳重に注意。

 けれど…。

  1人だけ注意して、何が変わる?

 消しても消しても、落書きは止まず。

 落書き犯は、こう考えるようになっていたから。

 「この前の落書きが、消された!壁が、きれいになった。良し!それなら、新しい落書きを書いてやれ」

 消された落書きの上に、新しく落書きがされていくだけ。

 大学側のイライラが、爆発。

 「何だこれ!」

 「せっかく、消したのに!」

 「落書き犯めー!」

 すると、 1人の若い職員が名乗り出た。

 「私に、まかせてください」

 その夜、落書き犯を見つけたその若い職員は、犯人と意外なやりとりをする。

 「…また書いていますね」

 「何だ、お前!」

 「この大学の大人です」

 「け、警察に突き出そうっていうのか?」

 「ちがいますね」

 「…じゃあ、何」

 「あなたの描いた絵、ステキですよね」

 「…」

 「 1つ20円で、絵を買い取りましょう。ここに、描いてください」

 「な…」

 幼稚園生が使うようなアニメキャラがでかでか描かれた画用紙を、犯人に見せる。

 おや。

 もう、落書き犯はこなくなったぞ。


   (この話の意味)

 プライドの高い、落書き犯。

 「20円で、あなたの落書きを買い取りましょう」

 そう言われ、幼稚園生が使うような画用紙を見せられたんだ。

 プライドが高い人なら、怒るさ。

 「俺の絵が、20円?あの画用紙に、描け?冗談じゃない!俺は、一流アーティストなのに!」

 もう、怒りまくり。

 「こんな大学には、もうくるもんか!」

 そうか。

 落書き犯は、だからこなくなったのか。

 今度は他の壁が落書しているんじゃないかと、心配だけれど…。

 エモいなあ。

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