第37話

2025年 9月15日

今 病院でこの原稿を書いている。

オジサンの手術が8時から始まって 順調ならば4時間後の12時頃戻ってくる。

35回も放射線をあてたにもかかわらず遺残があり、それがリンパ節に転移した。

主治医の話だと転移した部分は早期になるので急ごうと云うものだった。

癌の生命力は凄まじい。放射線照射の間にもなんとか生き延びようとするらしい。

宇宙が滅びても細菌、病原菌は生き延びる……何かの本で目にした事があり さもありなんと実感した。

手術室に入っていくオジサンの足はトリガラの様に細く痛々しい歩行だった。


ところで今日は敬老の日、祭日なのに手術?って……あれ?って思ったけど

主治医の話だと 「病院の経営が厳しいので祭日でも診療する方向になった」と、

苦笑いしながらぶっちゃけていた。

病院の経営難は地方だけの問題かと思っていたら違うんですね!

ニュースで、クレーム、訴訟の多い外科や産婦人科医の減少が顕著であるとキャスターが言っていたのを思いだした。必要以上にクレームを言ってくる患者が増えて……

医者がいなくなって困るのは誰??と、問いたい。


4時間後、終了の連絡がきて手続きを済ませ主治医の説明を受けた。

左耳下を切開して腫瘍を取り除いたが、腫瘍が筋肉の中に張り付いていたので神経と血管の一部も同時に剝離したので 術後若干の痺れと腕の上げ下げが不自由になるらしい。これは術前のオピニオンでも了承済である。

術後5時間は絶対安静で水分を取る事もできない。

私の方は朝8時から病室に入れるまで5時間。 腰にきて辛いので病院の中をウロウロ歩き回るが、横になれたら翌日まで眠ってしまいそうなくらい疲労の波がドッと押し寄せる。 帰宅して文字通りバタンキューで3時間ほど横になり何とか持ち直した。

しかしこれでオジサンが完治に向かってくれればいい訳で、苦労も報われると云うものだ。順調ならば来週中には退院できそうでひとまずホッとした。


数十年前、子宮筋腫摘出手術を受けた時の事を思いだした。

術後しばらくは酸素マスクをつけられぐったりしていた。 発熱と痛みと吐き気で、とにかく具合が悪くてこのまま死んじゃうのかと思う程だった。

そんな時、隣のベッドにいた方が 明日、明日より明後日、日一日と回復していくから頑張ってと声をかけてくれて大いに励ましになった。その方は術後5日が経過していたので実感なのである。


夜 テレビで200勝に大手がかかっているマー君の試合を 帰りがけに買ってきた焼き鳥を食べながら観る。

残念ながら6回で打たれてしまい今回は届かず。でも、続けて投げていれば必ず達成できるはず。 お疲れ様でした。

それより、ベイスターズはまた去年の焼き直し?それはそれで面白いけどね。

    なんか……モヤモヤする

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