第58話

「何?妙な客が来たと?」


王様は突然の大臣の報告に食いついた。


「は、結構慇懃無礼な態度で、商人かと思われますが?」


少々退屈していた王様はお目通りを許した。


もしかしたら面白いものをみせてくれるかもしれない。


「入ってまいれ」


王様は来客に命じた。扉が開くと大臣と一緒に妙齢の女性が入ってきた。


王様が何か言おうとした刹那、突然女性は向上を述べ始めた。


「ごめんください!どなたですか!?ロッキー・怒・真珍の営業部長さんです!此度はきな臭い雰囲気となっております!おたくのお大臣は話を良く聴いてくれる大臣様とお伺いしました!私共のセールストークも例外ではないと存じております!どうぞおはいりください!ありがとう!」


どたーっ!


その場にいた20人あまりの親衛傭兵部隊が一斉にその場に倒れこんだ。


「なんじゃ!?どうしたのじゃお前ら!?」


狼狽する王様に大臣は申し訳なさそうな顔で言った。


「多分、そういう魔術ではないかと、でもすぐに立ち上がることでしょう」


部隊はどことなく恨めしそうな顔をしている。


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