九十九話の百物語
『九十九話の百物語』という冊子があります。どこかの大学の文藝部が大学祭で発行した部誌で、部員が学内で聞き取りした話が九十九話掲載されており、最後には数ページの空白があってそこに購入者が自身で一話を書き加えて、完成となる。そんなコンセプトの冊子だそうです。
この冊子についての情報を集めています。特に『かいないや』という百話目が書き込まれたものを探しています。
『かいないや』の内容は、ひとりの女性の日常と、それが次第におかしなことになっていって、最後には自殺してしまう、というものらしいのですが、作品中に「やってはいけないこと」がいくつも、それとは気付かないように紛れ込んでいるらしいのです。
読んだ人は暗示にかかったように日常生活のなかで少しずつその行為をなぞり、結果として何ぞよくないモノを呼び出してしまうようです。
やらかしたのは知人です。彼が持っていたはずの『かいないや』の冊子は、どこにも見当たりません。彼が言うには、いつの間にか本棚にあって、いつの間にか消えていたのことでした。
冊子には発行元として大学名と文藝部の連絡先が載っていたはずなのですが、彼はまったく思い出せないそうです。
その手の心霊現象などに対応してくれるお寺に伺ったところ、憑いているモノは現状では祓えない、どんなことをどんな手順でやって呼び出してしまったかが判れば、あるいはお帰りいただくことも可能かもしれない、と。
私も正直怖いので彼と直接会ってのやりとりはしていませんが、彼がいうには気休めに貰ったお札が、3日もせずにまるで十数年の歳月を経たかのように黄ばんでボロボロになってしまったそうです。
そういうわけで、なにも分かっていない状況ですので、『九十九話の百物語』をお持ちの方がいらっしゃれば、冊子に載っている発行元の大学や文藝部の連絡先を教えてください。もしもそれに『かいないや』が載っていれば、読まないことをおすすめします。
怖そうで怖くないちょっと怖い話 花綻ことん @halcalia
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