『女装魔法使いと嘘を探す旅』は、魔法の国の制度そのものが抱える「偏り」と、主人公アンジェルが身にまとう「嘘」が、同じ重さで胸に落ちてくる物語だ。魔女が崇められ、男の魔法使いが疑われる。その空気の中で、努力が報われない痛みを最初にしっかり見せ、そこから「追試験」という逃げ道にも見える現実を差し出すので、主人公の走り出しが軽くならない。支給金5万ネル、実家援助禁止、魔法で稼げば牢獄という縛りも、旅の緊張を足元から支えている。
具体的に刺さったのは、食の街アステントで子どもが馬車に突っ込まれる場面だ。声を出せないはずのアンジェルが、とっさに叫んでしまい、血まみれの現場で魔法を発動させる。助かった安堵と、「こうなる前に止めるべきだった」という悔いが同居して、称賛がむしろ痛い。そこへ「男の声だった」と疑いが芽を出し、ノルカが群衆の感情を鎮めて場を収める。この一連で、アンジェルの嘘は自己保身だけではなく、誰かを救うための手段にもなっていると分かる一方、ノルカの側にも別の嘘や葛藤が見えてくる。相棒ものの握りが早く、しかも後ろ暗さがちゃんと火種として残るのがうまい。
途中まで読んだ範囲でも、店の味覚の「差」や、繁盛店の陰で灯らない店が増える違和感など、事件の芽が日常の描写に混ざっていて先が気になる。嘘をついた人間が、嘘を暴く旅に出る。その矛盾が、読者の目を前へ引っぱる牽引力になっている作品だ。
に対するアプローチが新鮮でした!
1話から2話の繋ぎが人間味が溢れており、これが惹き込む物語に惹き込む魔力ではないかと思わせてくれる素敵な作品です!
1章の導入時点でこの女装の経緯は明確になりますが、この流れが素晴らしい・・・
言葉だけを捉えるとコメディで存在する理由等々浮かんでくると思いますが、譲れない目標のためなら手段を選んで入らないという熱い理由が輪郭を成すためつい入れ込んでしまいます!
読み手への配慮が随所に設けられており章の区切りが細かく、何を伝えたい章なのかがはっきりしているため視点がブレることもありません!
誰がどのような想いを抱いているのかを感じながら大きな目標に向かって突き進む臨場感、これはなかなか感じることができないでしょう!
そんな女装魔法使いが目指す魔女へ到達することができるのか!みなさんも一緒に見守ってみてはいかがでしょうか?
まず、女装、という言葉が目に入っただけで、男女双方、一定数の方が離脱してしまうかもしれません。そういう言葉だとは思います。
でも、それはすごく勿体ない。まず、その言葉にあまり引っかからずにぜひ読んでみて欲しいです。多くの人にとって、読むのを辞めるほうが難しいでしょう。
本質は女装をしているということではなく、何か一つ、どうしても何とかしなくてはいけないものを、主人公だけではなく、他の登場人物もみんな抱えているということです。それらは多くの共感を呼ぶもので、敵も味方もありません。
内面描写はとても切なく、感情を揺さぶられます。ところがそれだけではありません。偽魔女に少しずつ迫っていく様には好奇心を刺激され、謎解きとか、推理もののように、ついつい先へ先へと読み進めてしまいます。
多くの人に読んで欲しいです。読まれるべき作品だと思います。
一読者として、続きを楽しみにしております。