魔法用語目録

◆あ行

古代遺物アーティファクト

 遺跡で発見された古代の魔法具を指す。現代には無い魔法技術により造られている。


・失われた魔法

 使用者が途絶え、現代では伝承や文献にしか残っていない魔法全般を指す。


・詠唱破棄

 魔法行使の際の呪文詠唱を省略し、魔法名の宣言のみで魔法を発動させる高等技能。詠唱時間の短縮になり、即座に魔法の発動が出来る為、戦闘上ではかなり有用性が高い技術だが、その難易度も高い。魔法の種類にもよるが、基本的には通常よりも多くの魔力を消費し、その上で威力や精度、質が落ちる。


・応用魔法

 既存の魔法の術式を独自の解釈で作り変え、その効力の規模や威力の底上げ、全く新しい効力の付与等を行う技術。超高難易度の技術であり、現段階で作中での使用者はリルカとローファスのみ。難度は無詠唱と同程度。因みに、元となった魔法の原形から著しく離れ全くの別物と看做された場合、《番外魔法》と呼ばれる事もある。


小精霊エレメント

 自然現象の化身であり、基本的には精霊と同質の存在。精霊の様に明確ではっきりとした意識があるとはされていない。赤子や子供に近いとされている。王国の研究では、その詳細がよく分かっていない。レイモンドはこれとよく話している。


◆か行

守護者ガーディアン

 ダンジョンの最奥に存在する守り手。難易度の低い下級ダンジョンでも、非常に強力であり、守護者ガーディアンの討伐は偉業とされている。もし討伐された場合、そのダンジョンは崩壊を始める。


・基本属性

 王国では暗黒、光、火、水、風、地——この六属性が基本属性とされており、これ以外のものは派生属性、或いは希少属性と呼ばれている。基本属性と呼ばれる通り、王国ではこの六種の属性魔力を持つ者の数が多く、その他は希少と呼ばれる通り少数である。


・希少属性

 派生属性と呼ばれる事もある。基本六属性以外の属性を指す。希少属性も派生属性も呼び名が違うだけで、指す意味合いは同じである。王国での魔法学においては、基本六属性が魔力の基礎として存在しており、それ以外の属性は基本六属性の派生から生まれたものとされている。氷属性は水属性の派生、雷属性は風属性の派生とされる。しかしこの定説は、近年では否定されている。個々の属性は独立した別物であり、厳密には派生では無いとされ、派生属性の名称を改め、希少属性と呼ばれる様になってきている。作中で登場しているものは——氷、雷等。他にも鉄、音等がある。


・禁忌魔法

 人類を滅ぼしかねないという理由で、王国法において全面的に使用が禁止されている魔法。因みに、台詞上での初出は「20# エピローグ・ローグベルト」にて、ルーデンスが言及。作中では《白の裁き》と《初代の御業》の二種が登場。


・結界魔法

 空間に作用する魔法。


・後述詠唱

 一度発動した魔法に対し、更に呪文詠唱を行いその効力を高める技術。ローファスは詠唱破棄で魔法を即座に発動して、後続詠唱でその魔法の力を底上げする形で使用していた。主に魔法の効力を高めるバフとして使用される。難度は詠唱破棄と同程度。


・古代語

 古代魔法の呪文詠唱に用いられる言語。古代の言語であり、現代の王国では完全には解明されていない。


・古代魔法

 現代では一般普及していない類の魔法。ライトレス家の様な、一部の古い家系に伝えられている。上級魔法以上の魔力消費と、それに応じた威力を誇るのが特徴。


・固有魔法

 術式の詳細が知られていない、特定の人物、或いは特定の一族のみが知る魔法全般を指す。特定の血筋のみで受け継がれる独自の魔法や、体質的に特定の一族でしか扱えない魔法——ライトレス家の《影喰らい》、ガレオン家の《召喚魔法》、オーガスの強靭過ぎる肉体もこれに該当する。又、ローファスが作り出したオリジナルの魔法、《闇より暗い腹の中タルタロス》も分類上はこれに当たる。


◆さ行


・術式

 魔力により紡がれた、魔法の元であり、骨組みとなる情報の羅列。視覚的に見えるものではないが、魔法の素養が高い者や、優れた魔法使いは術式から情報を読み取る事ができる。


・呪文

 魔法を行使する際に用いられる言葉。魔法の種類によって、その内容や本質は大きく異なる。因みに《属性魔法》で用いられる呪文は精霊語、《古代魔法》で用いられる呪文は古代語である。


・呪文の束

 見た目は黒い紙の束。情報を呪文、術式に置き換えて組み上げられた反物質であり、魔素の塊。基本的に暗号化するのが前提のものであり、戦時中に多用されていた技術でもあるが、現代ではそれ程使われていない。紙に書き切れない程の情報量を詰め込む事が可能だが、その場合読み取る側に負担が掛かる。


・上位属性

 魔法属性の質を上げ続けた先の到達点。属性の精度を上げ過ぎた結果、引き起こされる現象には術式が介在していない。通常よりも上位の属性であり、各属性の修練の先にある極致。場合によっては属性相性すらも覆す。作中では暗黒の《深淵》、光の《極光》、火の《蒼炎》と《獄炎》、雷の《天雷》と《白雷》、水の《深水》、風の《真空》が登場。


・身体強化

 魔力を肉体に通して身体能力を強化する技法。魔力持ちはこれを無意識に行う。


・神聖魔法

 行使する上で信仰心が必要——と教会側は主張している。実際の所は適正の有無がはっきりしており、適性さえあれば信仰心が無くとも普通に使える。但し、祈りの力——所謂信仰心がその精度に影響するのも事実であり、詳しいメカニズムが分かっていない魔法でもある。属性魔法とは根本的にメカニズムが異なる。治癒、浄化、解呪といった癒し系統の魔法が多い。因みに、聖女の《神託》は明らかに個人の特殊能力や固有魔法に分類されるものであるが、教会側はこれを神聖魔法と言い張っている。


・精霊

 意思を持った自然現象そのもの。その姿は正しく千差万別であり、その成り立ちも詳しくは判明していない。


・精霊語

 精霊、小精霊エレメントが用いる言語。人間では発音出来ない言葉である。


・神域魔法

 神の領域、或いは神にも通ずる威力の魔法が該当。禁忌魔法、一部古代魔法がこれに該当。


・属性

 火や水などのいずれかの自然現象、その総称。


・属性魔法

 現代の王国で主に使われている属性魔力を用いた魔法。他の種類の魔法と比べ、魔力効率が非常に良いのが特徴。


・属性魔力

 自然現象の特性を持った魔素、及び魔力。魔力持ちは、基本的にいずれかの属性の特性を持つ魔力を有している。その特性に応じた属性の魔法を扱う事が可能。別属性の魔法は基本的には扱えない。


◆た行

・ダブル

 二種の魔力属性をその身に宿す者を指す。生まれる確率自体が低く、双子並に珍しい。属性には相性の有無もある為、弱点を補えるという利点があるが、その反面、魔力の運用がかなり難しいという欠点がある。二種の属性魔力を持つ《ダブル》は、魔力タンク内の魔力が二分される事になる。魔法使いの平均魔力値を100とするなら、二種の属性魔力——仮に水魔力50、火魔力50に分けられる事になる。属性魔法は対応する属性魔力でしか行使出来ない特性上、実質的に自由に扱える魔力が半分ずつに分けられ、その上で二属性持ちの利点を活かす為には二種類の属性魔法の習得が必要になる。余程高い魔力総量を持ち、尚且つ優れた頭脳を持ち合わせない限り大成は困難。故に、貴族社会において《ダブル》が優遇される事はなく、寧ろハズレ扱いをされる事もある。因みに、三属性持ちは《トリプル》と呼ばれるが、《ダブル》以上に生まれる確率は低い。


・ダンジョン

 亜空間に繋がる入り口。形状は洞窟や、建物と様々。無尽蔵に魔物が生み出される為非常に危険なものである為、全ての国では厳正な管理が行われる事となっている。発生原理、詳細は不明。一説には上位者が作り出したものとも言われている。聖竜国ではそれに因んで神の箱庭ダンジョンと呼ばれている。


・ダンジョンコア

 ダンジョンの最深部にあるダンジョンの核。何らかの上位者が創り出した神器級の魔法具。ダンジョンコアが残っている限り、ダンジョンは完全攻略をしたとしても何度でも復活する。


・ダンジョンブレイク

 ダンジョン内の魔物が規定数を超え、外に氾濫した状態。外部に出た魔物は放置していると、外気の魔素を取り込んで成長する為、非常に危険。かつて上級ダンジョンのダンジョンブレイクが起き、滅んだ国もあるという。


・デュアル

 二属性持ちで、尚且つ二つの属性を混合して新しい属性へ昇華させる事が出来る存在。《ダブル》と違い、貴族社会において非常に有用とされる。作中で該当するキャラクターは現在登場していないが、暗黒騎士筆頭のアルバの実家——ヴェルメイ侯爵家の本家が《デュアル》を輩出している。ヴェルメイ家は暗黒と火の複合属性である黒炎を扱える。黒炎は火と暗黒が互いに弱点を補い合った属性であり、光や火、雷に対して不利になり得ず、水中でも消える事の無い強力な炎である。強力な特殊属性が扱える上、魔力が二分されるという欠点も実質的に無い為、《デュアル》は非常に重用されている。


◆な行

死霊魔法ネクロマンシー

 失われた魔法の一つ。伝承では死体や死者の魂に関連する魔法であったとされている。


◆は行

・番外魔法

 応用魔法が特定の魔法をカスタムした魔法であるなら、番外魔法は特定の魔法をモデルに一から作り変えられた魔法。元となった魔法からあまりにも掛け離れ、別物と看做された場合はこの名で呼ばれる。ローファスが使用した《ニュクス》は、《光無き世界ライトレス》をモデルに作られた番外魔法である。


魔人化ハイエンド

 肉体を変化させる技法。《生成なまなり》と《纏鎧てんがい》の二種確認されている。


◆ま行

・魔法

 魔力を用いて特定の事象を発生させる技術。基本的な魔法の発動手順は、準備(呪文詠唱や魔法陣の展開等)→魔法名の宣言→魔法発動の三行程。王国で主に用いられているのは属性魔法である。


・魔法具

 魔力、或いは何らかの魔法が宿る道具全般を指す言葉。


・魔法障壁

 魔法使いが魔力により作り出し、展開している障壁。


・魔法陣

 魔素で構築された幾何学模様の方陣。術式により組み上げられた魔法の設計図であり、常人でも視認できる。


・魔力遮断

 自身から無意識に漏れ出る魔力を抑える技術。魔力探知対策の技。


・魔力譲渡

 専用の術式を用いて特定の相手に魔力を受け渡す技術。属性魔力が異なる相手の場合、属性変換も必要な為手間が掛かる。比較的ポピュラーな技術であるが、マナポーションが普及した現在では、手間もある為あまり使われる事は無い。非常時には有効な技術でもある為、魔法学園では必修項目。


・魔力探知

 特定の魔力波を飛ばして周囲の魔力を察知する技術。但し、魔力波を飛ばすという特性上、魔力探知をすれば相手側にも察知される。


・無詠唱

 詠唱、魔法名の宣言という手順を省略し、即座に魔法を発動させる魔法の超高等技能。ノータイム、ノーモーションからの魔法発動は、対策を立てる事が困難であり、戦闘面において非常に有用。ただし、詠唱破棄以上の魔力消費と、卓越した術式構築技術を要求される。その難度の高さから、使用者は王国でも少ない。これを呼吸する様に気軽に扱っているローファスはおかしい。


◆や行


◆ら行

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