005 探索2日目と凡人
昨日は職業レベルが2にまで上がった。僕は新たに得たスキルポイントで【索敵】のレベルを一上げて新たに【奇襲】のスキルを入手した。以前、述べたように【
まあ、それはスキルの効果を試していない今は、ただの机上の空論であるが小兎狩りの効率が上がることは間違いない。僕自身も正面からの戦闘はあまり望んでいないのでアサシンスタイルやアーチャースタイル、或いはガンナースタイルを目指していくつもりである。
もう一方の【索敵】については言わずもがな索敵範囲の強化のためである。効率に直結するのもそうだが基本的には自分が奇襲を受けることを防ぐためのもの。今回のレベルアップで自分を中心とした45メートルの範囲が索敵範囲になるはずだ。この辺りは、この後のダンジョン探索で再確認するつもりである。
さて、現時点で職業レベルは2になっている。昨日時点で倒した最下級モンスターの数は合計136匹のはずだ。基本的に10〜20のモンスターを倒せばレベル1、更に20〜40のモンスターを倒せばレベル2になる。レベル3には更に40〜80匹の討伐が必要となる。昨日136匹倒したにも関わらず僕のレベルは2のままだ。その上、昨日僕がレベル2に上がったのは三度目の探索の時だ。1度目と2度目で合わせて82匹の小兎を狩って2レベルに到達しなかったことから僕は1レベル目に28匹以上37匹未満の兎を倒した時にレベルが上がっていたことになる。昨日は危ないと思いダンジョン内ではステータスを確認していなかったが今回は確認の為に戦闘後にステータスを確認して僕がレベルアップに必要な討伐数を確認しようと思う。
こうして実際に数値に起こすと僕は他の探索者に比べて才能がないことを実感する。元々、僕に目立った才能は無く今僕が出来ていることの全ては凡人なりに努力して身につけたものだと自負している。この堅実なダンジョン探索の構想も凡人であるが故に常に自分の安全に配慮し危険を減らすために行っている。探索者は憧れだ。ただの探索者ではなく僕が子供の頃に高難易度のダンジョンのボスであった
それなのに、こうも数字で才能がないと突きつけられるとクるものがある。でも僕はこの程度で諦めるつもりはない。才能がある人の3倍の討伐が必要なら3倍討伐してやればいい。僕は凡人ではあるが無能であるつもりはない。凡人なりに頭を使い、その3倍の壁を越えていつか
ふう。気持ちを切り替えていこう。僕が今から潜るのは
取り敢えず今日も昨日と同じく10時から15時まで探索を行う。昨日と同様に【
10時になったので探索を開始する。ダンジョンに入ってすぐに【索敵】の成長を実感する。もう一つレベルを上げれば暫く【索敵】にはスキルポイントを振らずに他に使用することになると思う。今回も【投石】をメインに使用していく。
本日一匹目の小兎は【投石】スキルが乗った石が頭に直撃し【奇襲】のスキルとの相乗効果で脳震盪を起こす間も無く絶命した。思っているよりも奇襲による強化倍率は高いようだ。これならば安全に効率を上げることができる。
一度、小兎を撃破するごとに一応ステータスの確認を行っているが今の所レベルが上がる気配はない。現在の撃破数が43匹で最短であと17匹倒せばレベルが上がる可能性がある。正確には17匹から80匹倒せば確実にレベルは上昇するはずだ。もし僕が1レベルを上げるのに37匹のモンスターが必要だったとしたら才能がある10匹でレベルが上がる人間に比べて3.7倍の差がつくことになる。気にしないと入ったもののかなり大きな差ではある。
気が滅入りそうになるが、ここはダンジョン。意識を切り替えて小兎を狩ることに集中していく。やはり【索敵】は偉大だ。45メートルの範囲には基本的に1匹以上は確実に小兎が存在し撃破には10秒もかからない。ドロップを収納するのも精々10秒かからないぐらいなので移動時間がそのまま効率に反映されることになる。
索敵のおかげで50秒に一匹以上は小兎が狩れており最終的に一時間で75匹の小兎を狩ることができた。そして74匹目の小兎撃破時に職業レベルが3に上がったことが確認できた。
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