第12話 無理かも!

5年生になり夏休み家族で旅行に行った。

4年の時は千葉の九十九里だったと思う。

浮き輪をつけて波に揺られて遊んでいたら、段々と沖に流されて

行って、手で水をかいても岸にもどれない!

怖いおもいをした。

今回は東京の多摩に有る遊園地のプールにいった。

そのプールの特徴は人工的に波を起こすらしい。

一つ下の弟について片足で跳ねていった。

この頃になると人目もあまり気にならなくなり、浮き輪をつけて

プールへ入ってぷかぷか遊んでいた。

幼稚園児の妹と両親の近くにいた。

ふと、去年の川で溺れた事を思い出した。

息を止めて底まで沈めばまた泳げるかも?

そう思ったけど、怖くてやる気になれない。

プールでざわめきだした。

波が来たのだ。

30分間隔くらいで波が来るようだ。

すると波でバランスをとれなくなって頭からプールに沈んだ

浮き輪に足が残っていて逆さま状態、慌てたこともあり鼻から

水が入ってきた。

鼻の奥がキーンと痛くなりパニック状態に

浮き輪に残ってた足を外しプールの底へ

立ち上がり近くにあった浮き輪をつかみ事なきをえた。

(やっぱり俺には無理かな!泳ぎはあきらめよう。)

そう思った。

体育の授業でプールが歩けど何時も見学あつかいで教室であそんでた。

みんなに傷口を見せるのも嫌だったし、着せてみんなに」迷惑かけるのも

嫌だった。

勇気を出してプールの授業を受けてれば泳げるようになったかも。

秋になり、教室の後ろの壁に大きな表が貼られた。

表の下には出席番号順に名前が書かれていた。

よく見ると自分の名前もかいてあった。

ホームルームで先生マラソン大会の為の表でグランドを5週回ったら

1マス塗ると説明をしていた。

(どうせ走らないんだから自分の名前は書かなくて良いんじゃないかな)

そうも思ったけど書かないと仲間はずれにしてるとかになるからなのかな。

とも思った。

でも、最初から仲間はずれだし。

自分のマスだけ白いままなのもけっか同じになるんじゃないかな。

そんなふうに感じた。

マラソン大会も終わり、ホームルームで表のよみあげが始まった。

主席番号順に自分の番になった。

(先生はどうするんだろう?)

自分の名前は飛ばしていった・

(だから最初から書かなきゃ良いのに。)

一通り読み終わり。

自分のほかにもマスを白いままで走らなかった人がいた。

先生が、「福島お前は走らなかったのか?」

    「1週ずつ走っても5日やれば1マスくらいぬれるだろう」

(えっ!それありなの?じゃぁ自分でも塗れたじゃん。先に行ってよ)

先生  「歩いたって1週くらい回れるだろう」

(歩きでも良いなら自分でも1マスくらい塗れたよ。)

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