第3話

「会見の途中ではあるが、ここからは広報担当大臣に替わり私が説明しよう。今までの大臣達は年齢に応じて隠れてしまったからな。」

新たに広報担当大臣に就任した家臣に替わり、たぬきち王子が前に出ました。


「まずは教育である。義務教育を受ける者には道徳教育で「カチカチ山の狸団」と「姥捨て山」について正しい知識を学んでもらう。悪い事をした臣民には火あぶりを行い、なぜそれが悪いことなのかを身を持って理解させよう。特に、身内を庇い立てする者は罪が重い傾向にある。また、生産年齢を過ぎた者はその地位、ポスト等を後世に譲らなければならない。定期的な世代交代をせねば後継者が育たぬからな。

現在75歳以上の者には封書が届くだろう。それを持って各役所に赴くとよい。薬の治験か安楽死を選択し、即時実行しよう。

もし、神意に叛き役所に来なかった場合、国家反逆罪として私の軍隊が捜索に行くだろう。毒は薬にもなるから、私は毒も積極的に調べている。治験には回せないものを喰らうと思え。


そして、Myナンバー制度を推進する。私がゆりかごから墓場まで全てを管理しよう。今後、たぬき王国で行政サービスを受ける場合、Myナンバーが必要になる。Myナンバーを有していない者は非国民であるため、一切の行政サービスを受けることはできない。というか、たぬき王国には国民しかいないだろう。非国民はいなくなってもらうからな。」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

黒よりも暗い闇の世界 たぬきち @naltiny

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る