二○二四年 十二月

保育器の小舟で渡る冬銀河


冬麗産み難しの意味知れたり


短日や哺乳瓶のあぶく数え


凍風や老母の首のいぼの陰


暖房や揺り籠とお昼寝蒲団


仏壇は今朝もしずか白障子


ワセリンを吾子に塗り我にも塗りて


夜半の冬乳飲み子温し足寒し


みどりごの白眼も月も蒼氷あおこお


折り紙の金の星のぼる聖夜かな


年深しSNSの海の底


お昼寝の邪魔はせぬよに煤納め


剥がれ落つシールの鯨ちりとりへ


寝かしつけ終える前に流るる年

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