第4話

4話


「枠立てヨシ、宣伝ヨシ、顔ヨシ、声ヨシ、全部ヨシ!」


「おぬしら、はろー。やみちゃんの配信の時間じゃよ〜〜」


:わこつ

:きたきた

:はろ〜

:まってました!

:¥10,000結婚してください


「今日はの、コンビニいってアイス買ってきたんじゃ。それがこちら」


:アイス……?

:液じゃん

:溶けてる?

:¥10,000 結婚してください


「おう、こやつはいつも通りタイムアウトじゃ。このアイスをじゃな、こうじゃ!『見えざる振動を奪いてそのものを凍りつかせよ。フリーズ』!」


異世界の魔法は、いわゆる詠唱魔法のくくりにあるものである。詠唱を口にしてイメージを固め、対象を定め、魔法を放つ。神話の時代には無詠唱が主流だったそうだが、普通に暴発しまくりで危なかったため、安全な詠唱魔法が開発、普及したそうな。

イメージを固め、の部分が普通の人には難しいため、たとえば炎の矢を飛ばすには単純に『炎を纏いし鏃をもって其の敵を穿て、ファイアアロー』のように、わかりやすくイメージしやすい文言がメジャーになっている。

イメージが固められれば文言は自由なため、純粋な魔法使いは皆、独自の魔法を開発しているもの、らしい。大魔王様は魔道の天才であらせられるので、独自の魔法が数百数千ある、らしい。


「これでアイスが復活…………?」


:まぁ知ってた

:これはこれで好きだけどね

:アイスは溶けたらおしまいよな

:次ァサクレを買うといい

:↑もっと酷いことになるがw


「終わるのじゃ……」


:楽しかった

:魔法はすごかったよ!

:魔法『は』ね

:余計なこというな!気にするだろ!

:次もまってますね

:¥50,000 結婚してください

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る