3
5月。月に2回しかない集合のうちの1回。
狸「じゃ、今月やること言いまーす!」
最近分かった事は和狸先輩はハイテンションすぎてほっとかれていて、
犬塚先輩は見た目に寄らず大食いで、
猫田先輩は刺繍みたいな細かい作業が得意という事。
和狸先輩に関しては予想通りだった。
狸「えっと、今月は体育祭だからそれの練習と、ゲッ……」
猫「またイタズラ系?」
犬「またなの?」
狸「また。これ嫌なんだよなー…」
「またって?」
猫「そっか。こんちゃん知らないんだよね。」
「こんちゃん」は私のあだ名だ。
和狸先輩がポン、犬塚先輩がワンコ、猫田先輩がマネキらしい。
猫「この学校、よく不思議なことが起きるからそれの調査。大体いたずらなんだけどね。」
生徒のイタズラを撮影すればいいらしい。
犬「先生たちもはやく諦めればいいのに…」
鳥「でもねー、諦めるわけにはいかないんだよねー。」
急に現れたのがこの部の顧問、鳥井先生。トリッピ先生と呼ばれている。
鳥「問題が起きちゃってるから放っておけないし、被害が出てるから早急な対応が必要だし。」
狸「えー、トリッピ面倒い。」
猫「ポンそんなこと言わないの!」
鳥「夕飯たぬき鍋にしようか?(圧)」
狸「ヒー、ごめんなさい!」
鳥「ならよろしい。」
毎回会うたびにコントをしているらしい。楽しいのか暇なのか。
犬「今回はイタズラは化ける組で。」
狸「OK。こんちゃん頑張ろうね。」
「はい。ポン先輩。」
裏社部は活動日の夜は残って活動してもいい事になってる。
なので残って調査だったりをする。
狸「イタズラの映像なんて簡単にとれねーよ…」
「ポン先輩口悪…」
狸「いつもいつもw」
「先輩、前にいるのって生徒じゃないですか?」
狸「確かに。行ってみよう。」
行ってみると、スプレーで落書きをしている人たちがいた。
「なにやってんの?」
生徒「は!?人いるのかよ!?」
狸「とりあえず、来る?動画撮ってるから逃げても意味ないし、今はトリッピ先生しかいないよ。」
渋々着いて来てくれるようだ。
鳥「遊び?それともなにか意味がある?」
トリッピ先生の問い詰めが始まった。
生徒「意味ない事はしない。」
鳥「じゃあなんの意味が?」
生徒「いじめ隠しだよ…」
生徒「壁に書いてあった悪口を壁の色と同じスプレーで隠してたんだよ。」
鳥「じゃあ悪気はないと。」
生徒「悪気はない!」
鳥「じゃあいいや。OK。」
クラスでいじめが起きていて、
主犯格が壁に悪口を書いていたらしい。
それを隠そうと塗っていたらしい。それなら許せるのだろう。
鳥「次は報告してからやれよ?」
生徒「はーい。」
狸「依頼終わったし、夢の話をしようか。」
急に始まった夢の話。
ポン先輩は「イタズラ系の仕事がなくなるようにして」
ワンコ先輩は「部活自体忘れられてそうだから知らせたい」
マネキ先輩は「料理人とかやってみたいな。」と言っていた。
犬「こんは?夢、ある?」
「ないです。」
猫「えーないの?夢見るのは楽しいよ。」
狸「夢見なくて何見んのって感じじゃない?」
犬「俺も元々見てなかったし。でもここにいたら考え変わるよ。」
「ワンコ先輩も夢見てなかったんですか?」
犬「あぁ。あんまり好きじゃなかったんだよ。現実見ない人。」
ワンコ先輩は現実さえ見ていれば大丈夫だと思っていたらしい。
でも先輩からの教えが納得できたから
夢を見ていいんじゃないかってなったと言っていた。
私にはあんまりわからない。
この後、野良猫の駆除だったり、部活の応援用の旗を作ったり、
人と関わることが多かった。
みんな夢を語りながら活動していて夢がない私だけ取り残されていた。
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