闇に立ち上がる大鳥居。表通りにまで
溢れる屋台。噎せ返る香りと電飾の渦。
鳴り物に彩られた山車だし。
美しくも躍動的な夏祭りの風景が、
目の前に迫る。宵闇に漫ろ歩く二人は
暫くぶりに顔を合わせた従兄妹同士。
叙情的な物語は、とてもぎこちなくて
優しい。
海外に拠点を持つ叔母の娘を、祖父母の
家に帰省する間、みてやって欲しいと
頼まれた主人公は、嘗て幼い頃の思い出を
紐解きながら。
どの夏も皆、違うのだろう。
けれども夏は又、巡る。くるくると廻る
屋台のハンドスピナーの様に、目眩く
夏の一コマを共有する。
美しくも爽やかな、夏。