青薔薇の香水をつけて

風本 詩雨

Act.0〈Monologue〉

〈Denial〉

『不可能を成し遂げる奇跡——青薔薇の花言葉』

 ……『不可能』だったくせに。

 キャンバスは、いまだ真っ白だ。


〈Turning point〉

 いつもと何ら変わらない朝だった。学校へ行く時は「学校頑張って」と、部活だけなら「部活頑張って」と、試合の日なら「試合頑張って」と言って、母は軽く抱擁してくれる。その後に「行ってきます」と返す。

 いつもと何ら変わらない朝だった。最期の『日常』だった。

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