重いテーマでありながら、明日への一歩を踏み出せるような、そんなお話でした。とても面白かったです。
本作の主人公、藤堂紗和は正しさを乗り越えられずにいた。心の中を、完全に支配されていたのだ。彼女の心には、母親が住んでいる。何かをするたび、心の中で母の厳しい言葉が再生される。
母親は間違ったことは言わない。彼女は「正しい」し、間違ってはいない。だが、それは主人公の心をどんどん蝕んでいっていて——といったお話です。
本作で繰り返し使われる「正しい」「正しさ」「正しく」という言葉は、一見、プラスのイメージな言葉ですが、人によっては辛い言葉なのだ、と思いました。
主人公である藤堂紗和の心情、過去、行動の描写がきちんと作り込まれていて、なぜ彼女がここまで「正しい」に囚われているのかが、痛いほどわかりました。
テーマが明確で、さらに作り込まれた構成でとても面白かったです。読後感も非常に良く、明日を向いていけるような、そんな作品でした。
どんな方にもおすすめですが、特に現在暗い気持ちである人におすすめです。本作を読んで、一歩、前に踏み出してみませんか。
ぜひ、ぜひご一読ください!