春が嫌い
ふと気づいたんだけど、昔から自分にとって春とは憂鬱な時期だった。
例えば新学期。学校に通っていた頃はクラス替えがあったり次の学校に進んだりすると、一年かけて作った人間関係をまた一から作り直さないといけない。もともと人見知りしがちで狭く深くな関係を作りがちな自分にとってそれはとてもストレスだし、不安になって夜眠れない日も多かった。大学に入ってからは人間関係についてのストレスは減ったが、学年が上がるにつれ人生の夏休みというかモラトリアム期間が終わってゆくこと=社会に出ないといけないことへの怖れ、憂鬱、諦念、そんなものを感じては落ち込んでいた。
社会人になった今はというと、逆に変化がないことに対してネガティブになることが増えた気がする。春という新しい、フレッシュな、さわやかなイメージに反して、ただただ時間だけが経過し、自分はこの一年で何が変わった?何ができるようになった?何も進歩していないのではないか?と我が身を顧みてどんよりとした気分になる。じゃあ進歩するために何か取り組んだか?と胸を張って言えることもないので私が怠惰なだけであるが。
あと急にあったかくなってなんかそわそわするし。もっと穏やかに変化しろ、気候。
出会いの季節でもあり別れの季節でもあるというが、この歳になると出会いなんてなく別れるばっかりでそれも嫌いな要因かもしれない。1人で頑張って踏ん切りつけて別れを選ぶ、という経験が何度かあり、そのことを想起して気持ちが沈んだりする。
だから、春が嫌いだ。
あと数年前からこの時期になると鼻がつまりやすくなった。ついに来たか、ヤツが…(花粉症)。今まで気づかないふりをしていたけどようやく覚悟を決めて、こないだアレルギー検査を受けに行った。血抜かれて翌週結果を聞きに行った。
が、陰性。39項目全部陰性。食べ物も植物もハウスダストも動物もぜ~んぶ陰性。
先生も、いや~症状聞いてほぼほぼ花粉症だろうと思ってたので、ちょっと意外ですね…という言い方をしていた。私だって拍子抜けした。じゃあこの鼻づまりは何が原因なんだ?と逆に謎が深まることにもなった。
雑記 雑草 @cicek_17
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