第24話 正史と偽書
「陰陽師の誕生は飛鳥時代頃、天武天皇が
また脱線している。相変わらず資料の意味は無い。『目を通した』知識の一端である。
「いや。あの・・・知りません。それで、明日、紹介された人に会うんですけど、その人の話の中に『原初の陰陽師』っていうキーワードがあったみたいなんです。天武天皇の時代に陰陽寮として官職が生まれたという事だと思うんですけど、陰陽師自体はそれよりも前からあったのでしょうか。遣隋使と関係しているとか。」
「うん。翔君。ちゃんと勉強しているわね。陰陽道は、平安時代に道教や仏教と中国の周の時代に完成されていた
寛美は話を止め、「ここまでは分かる?」と聞いた。
「学校で陰陽師の歴史は流石に習いませんが、時系列に沿って説明してくれているから分かりやすいです。」
正気に戻った聡史にも「大丈夫?」と微笑む。
「欽明天皇の時代に百済から仏像が送られて、物部と蘇我の対立があって敏達天皇の時代になって仏教禁止令が出て、その後の用明天皇は崇仏派だったけれど、たった二年で崩御して崇峻天皇になるけど蘇我馬子に暗殺される。それで、推古天皇の登場となって遣隋使ですよね。」
得意漫勉に聡史は答えた。ドヤ顔で翔を眺める。
「大変よく出来ました。すごいね。聡史君。」
寛美に褒められた聡史は再び昇天した。
「推古天皇が出て来たので、この時代に古代史最大のスーパースターが登場するけど。」
『聖徳太子』二人が声をそろえて言う。
「うんうん。」と二人を称える。
「私は聖徳太子の単独的伝説には懐疑的だけど。今の教科書では厩戸皇子としているのかな。聡史君が言っていた物部、蘇我の対立は尾輿と稲目の時代からその子、
寛美は二人の真剣な表情を見て微笑んだ。
「それでは、原初の陰陽師とは、その観勒か、三十四名の官僚と言う事になりますか?」
翔が聞く。
「そうね。でも官僚全員が、皆のイメージするような陰陽道を学んで実践出来たかどうかは定かではないの。各分野のエキスパートを育成していたと思うのが自然ね。取り敢えず、日本史のお時間はここまででいいかな?これから、俊君が調べていた内容について私が勝手に大系立てて、翔君が知りたそうな事だけピックアップして話すね。」
二人は顔を見合わせる。
「今までのって『フリ』ですか?」
聡史が代表して言った。
「うん。正史理解していないとこれから話す『裏』に当たる歴史が嘘っぽく聞こえて違いが分からなくなるでしょ。確認しただけよ。」
何事もなく寛美は言う。
「まず、槍穂岳みたいな山岳地帯の真ん中に人が居住して文化圏を有していたのかという疑問があると思うけど、神社の古文書には、槍穂神社は今から五千年前の縄文時代に今の境内にもある
寛美は話を止め、二人を見た。
集中して聞いている姿を見て「続けるよ」と言った。
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