第18話 忘れ去られた記憶 part10

 レティシアはイザベラによって

見知らぬ薄暗いところに連れ去られた。


不適な笑みを浮かべながらレティシアを見ていた。


「やっと、やっと貴方を殺せるなんて嬉しいです!

 フィリップ様を殺したも当然のあなたを、」

イザベラは獲物を捕らえたような目でレティシアをみる。


レティシアは正直目の前にいるイザベラがとても

怖いと思った。でも、それを悟られたらイザベラは

喜ぶだけだとも思った。だから、震える体を抑えた。

そして、自分勝手なイザベラに怒りをぶつけた


「私はフィリップ様を殺していませんわ。

 自分の罪を私に擦り付かないで下さい!

 フィリップ様への歪んだ想いの所為で

 なんの罪も無い人々が何人も死にました

 私は貴方を絶対に貴方を許しません!」


「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!

 黙れ!私は悪くない!悪くなんかない!

 全部お前の所為だ!お前さえいなければ!

 お前なんか最初からいなければあの人は

 今も生きてたのに、、、お前のせいで、

 私は悪くない、悪くない、全部、全部

 お前のせいだ!」


イザベラはレティシアを見る

するとレティシアの右腕に小さい凶器の氷が深く刺さる。レティシアは思わず悲鳴を上げる。構わず、次に太もも、膝、お腹、急所を避けながら至る所に次々と放たれていく。深く刺さったそこに大量の血が流れる。


その場に倒れ込んだレティシアをみて、嬉しそうに狂ったように彼女は笑いだした。


「もっと、もっと、もっと、もっと苦しんで、

 私を楽しませて?うん!ぞくぞくする!

 苦しむ貴方の顔を見ると、もっと

 もっと更に痛めつけたくなる」


今度はレティシアのお腹を蹴った、何度も何度も蹴った。レティシアは腕でお腹を隠す。鋭い痛みがレティシアを襲う。意識が遠くなる。


イザベラは蹴るのを辞めて、ポケットから何かを取り出す。ナイフがきらりと光った。

イザベラはニヤリとした。

レティシアは後ろを下がったがすぐに距離が縮まり、

レティシアの上に馬乗りになり、ナイフの先端を突き付けられレティシアは動かなくなった。


ナイフで身に付けている服が破れていく

レティシアは抵抗した。するとナイフを振り下ろされた。レティシアの腕に埋まった。そしてすぐに引き抜かれた。その痛みで悲鳴を上げる。


「レティシア様が悪いのですよ?

 大人しくてくださいね?」

レティシア涙が溢れている目で彼女を睨みつけた


再びレティシアの服を破っていく。

胸元が露わになる。


「綺麗な体ですね

 レティシア様を嫌いではなければ

 女である私でも貴方に欲情しましたよ?」


ナイフの先端を胸元に当て、少し押す、血が滲み出る

胸元から下へとなぞっていく。レティシアは痛みを堪える。声が漏れないようにきつく唇を噛む。


「ほらもっと声を、悲鳴を聞かせて下さい」

更にナイフを押していく、そこに更に血がじわじわと

滲みでる。


それでもレティシアの唇はきつく閉じられていた。


「もうー、面白くないですよ」

イザベラは言いなぞるのを辞めた


 

「これならどうですか?」ニヤリとした。


ナイフを振り下ろし、太ももに突き刺す

耐え切れず叫びを上げた


「も、もうやめ、て」


「命乞いしたら辞めるかもよ?」

と言いながら太ももに刺さったままのナイフを

グリグリと動かす。そこから大量の血が吹け出していく。

レティシアは泣きながら悲鳴を上げる


「や、や、めて、くだ、下さい

 た、たすけ、て下さい」

痛みで呂律が上手く回らなくなっていく


 イザベラは悪魔のように笑う

「うーん、感情が伝わらないなあ

 だからだめです」


刺さったナイフを抜き、それをもう反対の

太ももに刺し、中を掻き混ぜるように動かす


レティシアはもう限界を超えていて、

物凄い痛いはずなのに声がもう出なくなった

体が麻痺していく


(お願い、、誰か助けて)

心の中で呟く


あっという間にの出来事だった

イザベラはどこかへと吹き飛ばされた。


「あ、主様ど、どうして?」

イザベラが問う


「言ったはずだ。無傷で連れてこいと」

 と男の声が言う


レティシアは力を振り絞りそこに視線を向ける

赤いフードを被っていて顔が見えない


イザベラは男に何かを言いかけたが男はそれ

を遮った。


「もう黙れ!喋るな!」


イザベラは突然膝をついた。

彼女の口から大量の血が溢れていた。

イザベラは自らのお腹み見る。

彼女のお腹にはいつの間にか穴が空いていた

驚きの表情を浮かばせて、男に問う


「ど、どう、しです、か、?」


男の声だったその声はレティシアの知っている声へと変わった、その人物は身に付けていたフードを外した

レティシアはその人物を見て名を呼ぶ


「え、、り、」と消えそうな声で呟く


それでもその声はしっかりと届いた

呼ばれた妹はレティシアに笑顔を見せた

妹の手が少し動く、するとレティシアが感じていた痛みが和らぐ


「遅くなってごめんね?

 待ってて、直ぐに終わらせるからね」

 優しい口調で姉に言う


レティシアは静かに頷きそのまま意識を手放した


妹はイザベラに視線を戻し、再び口を開く

先程と程遠い口調、とてつもなく低く言い放つ


「殺す、、

  レティに傷つを付けるなんて絶対に許さない」

 

イザベラは目を見開いた


「な、なんであ、あなた、ここ、にいるのですか?

 あ、あの方はど、どこに、い、ますか」


「もう、目の前にいるよ?」

冷え切った声で答える


その言葉を聞いて、全てを悟りイザベラは絶句した


「わ、私を、だ、騙したのですね」

 

 妹は肩をすくめた

「何の事??」


「い、つからですか?」


「だから何の事言ってるの?」

イザベラの問いをそれでも白を切る妹


「ま、まさか、

何かを言いかけたイザベラは悲鳴を上げ、腕を押さえつけた。腕の下半分が切れて、地面に落ちていた。

切られた腕から血が溢れ出る


妹は姉の方を見てからまたイザベラに視線を戻す


「喋りすぎ」低い声で言う


「あ、あくまが」イザベラは痛みを耐え声を振り絞って言う


「だ、か、ら、じゃべんな」妹がイザベラを睨みつけ

人差し指を少し動かすとイザベラの片耳が落ちた。


再び悲鳴を上げそうになったが


「しーーっ」妹が人差し指を自らの唇に当てながらイザベラに伝える。


「あんまり煩くすると今直ぐ殺すよ?」妹は彼女を脅す


「散々レティを痛めつけといて

 このまま殺すのも面白くないから

 ゲームしょ?残りの腕の指爪を一つずつ

 抜くからそれに声を上げなかったら

 一瞬で殺してあげるのはどう?

 まあ、拒否権は与えるつもりなんてないよ」


イザベラは全身に恐怖を覚えた

ああ、誰でも良いから今すぐ殺して下さい


と願うイザベラの声は

誰にも決して届く事は無かった。

















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