攫うのか攫われるのか
「悪魔が死んだ妻を生き返らすためには生贄が必要だ。それがお前だ。」
パン
銃弾が頭の上を掠る。砕けた壁の漆喰の粉が頭にかかる。
「どうやって死んだ人間を生き返らすの?」
「知らん。悪魔に聞け。」
イカれてると思われるだろうな。実際俺も、俺が正気かどうか自信がない。
「わかったわ。貴方に付いていきましょう。」
「・・・・・あ?」
全く予想していなかった答えに、言葉が出ない。
女はハサミを取り出し、ジョキジョキと俺を包んでいたシーツを切る。
銃はベッドの上に置いたままだ。
拘束から開放される。右手で頭の傷を触る。右眉の上、前頭骨の一部を削ってる。かなりの血が出たようだ。
右頬から首まで血が固まって、赤いジャケットが血で黒く染まってる。
ベリベリと固まった血を剥がしながら、なんとか立ち上がる。
女は、さぁ私を連れて行ってくださいな。という顔をしてこちらを見ている。
俺はベッドに行き、銃を拾い、弾が入ってる事を確認し、撃鉄を引き、女に向ける。
「私を殺すのですか?ここで、」
怯えがない。むしろ銃を向けている俺のほうが得体のしれない恐怖を感じている。
「では行きましょう」
女は俺を無視して部屋の扉を開ける。
俺は銃を降ろし、女について行く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます