第17話 変なスライムと従魔契約

「ふぁ~…よく寝た~」


「おはようございますサキ様、朝食の準備は出来ておりますよ。スライムの核は5つとも持っていきますか?」


「えぇ、お父様とお母様に確認してもらわなきゃ」


「かしこまりました。では、お召し替えさせていただきますね」


 ・・・・・・・・食堂・・・・・・・


「お父様、お母様、おはようございます」


「おはようサキ、昨日は冒険者ギルドで何かあったようだね。多種多様な大量の肉と一緒にサジェスから報告が来ていたよ。朝食を食べ終わったら詳しく聞かせてほしい」


 なんかお父様の目が笑ってない気がする…怒ってるのかな?もしくは呆れてるか


「サキおはよう、聞きましたよヴァシロプロ殿下と婚約したのね。しかもサキから告白したって、結構積極的なのね~私に似たのね」


 お母様…何というかイメージ通りね


「一目惚れってやつですね。私からもお父様とお母様にお話があるので朝食の後に改めて話しますね」


「わかった」


「楽しみにしてるわね」


「皆様朝食のご用意が出来ました。本日はサキお嬢様がギルドから頂いてきた肉を使った肉メインのサンドイッチです」


「わぁー美味しそう!クックパノ、これは何のお肉なの?」


「こちらは深淵の首狩り兎ヴォーパルバニー・オブ・アビスの心臓です。深淵の首狩り兎ヴォーパルバニー・オブ・アビスは深層にいるA級の魔物で初撃の奇襲を外すと心臓を瞬間的に圧縮させて自爆する特性を持つので、奇襲より速く神経締めするか心臓を一突きするかして倒さないといけないので心臓はとても希少な部位なんです」


「その希少な部位をたくさん使ったサンドイッチが50個以上あるように見えるけど、もしかしてこれを狩れる人たちがここにはたくさんいるの?」


「1個で心臓を半分ほど使っているので25羽以上分ありますね。これだけ狩れるのはこの領地でもS級冒険者の数人とA級冒険者パーティー数組ですのでかなり少ないですよ」


 へぇ、そんなに希少なら味にも期待できるわね

「それは凄いわね。じゃぁいただきます!」


 モグモグ…モグモグ…


「おいしぃ…」

「凄く美味しいわ!お肉自体の味が濃くて、コクと円やかさが有るのにクドク無くて、でも満足感はしっかりあって満たされている気がして腹持ちが良い感じがする!」


「それは良かったです。」


「おそらく魔素の豊富な部位だったからだな。魔素というのは我々の体を構成する上で大切な要素だ、魔法や魔術を使う者は魔素の豊富なものを食べて体内の魔力を回復させる。サキはスキルや称号の影響で魔素を通常より消費するから豊富な魔素のある心臓はより美味しく感じるのだろう」


「久しぶりに食べましたがすごく美味しいですね。深層の魔物が食材として出回るのは珍しいので食べれて良かったです」


 へぇ、お母様達でも滅多に食べれないんだ…そんなに珍しい食材がこんなに沢山、いくら強い人が獲りに行ってるとはいえ多すぎじゃない?まぁ、今は気にしてても仕方ないか。それよりも残りのサンドイッチを食べよう、心配事を思いながら食べるのは食材に失礼だ


 モグモグ…モグモグ…


「ごちそうさま、美味しかった!」


 ピコン♪


 おや世界の声が聞こえた。ステータスオープン!


 __________________

 名前:サキ・フォン・リューノ

 年齢:3歳    職業:辺境伯令嬢

 HP:100  MP:5万1千

 エネルギー:102万  体重:30㎏

 Lv:1

 STR:100 VIT:100 DEF:100

 INT:150 DEX:100 AGI:100 LUK:50


 スキル

 ・不老・高再生・生殖不可・食鑑定・再現変身・食吸収

 ・武器武術才能・自己強化魔術・状態異常耐性


 称号

 ・異世界召喚に失敗したもの

 ・神の友人

 ・食欲を満たせぬもの

 ・全てを喰らうもの


 再現リスト

 ・レッサーオーク100%

 ・コムギ100%

 ・レティス100%


 NEW

 深淵の首狩り兎ヴォーパルバニー・オブ・アビス25%

 __________________


 うーん…MP、エネルギー、体重の桁がおかしい以外は特に問題なさそうね。

 3歳児の体重が30㎏ってやばいわね。9歳児と同じか…重いな。エネルギーは3桁超えてるし、MPも5万超え、このままいくと億兆までいきそうね!

 深淵の首狩り兎は心臓25羽分しか食べてないから妥当な数字だし、他は特に変化なし…よしっ!

「体重や魔力が増えた以外は特に変化は無かったです」


「見た目に変化は無いんだな、椅子が若干沈み込まなきゃ体重が増えた事に気が付かなかったよ」


「私はソラみたいに体重はわからないけど、魔力の圧が増えたわね。このまま増えると圧で周りが委縮してしまうからソラとの修行頑張りなさい」


「わかりました!修行頑張ります」


「さて、そろそろ昨日冒険者ギルドで何があったのか詳しく聞かせてもらおうかな」


「わかりました。ではギルドに入った所から…」


 私は両親に昨日あった事を洗いざらい話した

 お父様もお母様も終始ため息交じりに話を聞いていてちょっと怖かったわね


「…というような経緯です。それで、このスライムって飼っても良いですか?」


「まぁ妥当な落としどころだったな、スライムは飼ってもいいぞ。その代わり従魔登録と契約はちゃんとするんだぞ」


「あまり危ない目には会ってほしくないけど、護衛も兼ねて従魔を付けるのもいいかもしれないわね」


「ありがとうございます、お父様お母様!それで、どうやって仮死状態から戻すんですか?」


「このスライム専用の仮死解凍魔道具を使うんだよ。これに精製水を入れてこの触腕みたいな部分をつかんで魔力を吸収させる、そうすると解凍と従魔登録と従魔契約をいっぺんに出来るんだよ」


「凄い!色々出来るんですね」


「それなりに高価な魔道具だからね。さぁ、サキこれに核を入れてやってごらん」


「はい!」

 えーと、この注ぎ口の無い両手持ち雪平鍋みたいな見た目の道具にパーバート・ジェントルマン・スライムの核を入れて、持ち手に付いてる吸盤の無い触腕みたいな部分を掴む…うわっ⁉なんかめっちゃ吸われた⁉

 ぅわぁ…ステータス見たらMP5万とエネルギー100万持ってかれてる、これ私じゃなかったら即死してるわよ。いや、逆に私だからこんなに吸われたのか…


 カタカタ…カタカタ…


「わぁ、なんか動き出した!」


 ピョコンッ…プルプル…プルプル


「出てきた!かわいいー!」


『やあ、初めましてお嬢さん。そしてこれからよろしくご主人様』


 …聞き間違えかな、今バスケットボールくらいのサイズの大福みたいな可愛いスライムから凄く渋いおっさんボイスが聞こえた気がしたんだけど?


『ご主人…無視かな?…はぁ…はぁ、そんな事されたら、興奮してしまうよ♡さぁ!ご主人!私に名前を付けてほしい、下僕と呼んでもらっても構わないですよ!』


 うわぁ…きっつ…いや、大分濃ゆいわね

 まぁ、名前から想像はしてたけど…想像よりも大分…

 私にしか聞こえてないみたいで助かった、こんなの両親に聞かれたら殺処分待ったなしだったわね。私これでも貴族令嬢だし

「…名前どうしようかしら、ラールとかどう?」


『素敵な響きですねご主人、ちなみにどのような意味があるんですか?』


「ノルウェー語で変人という意味よ」


『ほぅ…その言葉が出るという事はやはりご同類でしたか』


「今は黙秘で…まだ好感度が足りてないわよ。さて、話は終わり。お父様と修行の時間よ」


『なるほど、かしこまりました。今は好感度上げに努めます』


 まぁ、頑張ってくれ。今好感度マイナスだけど…

「お父様、お母様、この子の名前はラールにしました!」


「良かったな、大切にするんだぞ」


「良かったわねサキ、仲良くするのよ」


「さて、そろそろ修行を始めるか。動きやすい格好になって中庭へ来なさい」


「わかりましたお父様」


 ・・・・・・・・四半刻後・・・・・・・


「お待たせしました、お父様」


「では始めるか」

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