お金が貰えるから

五月からアルバイトを始めた。これは今までに働いたことがなくて、今が「働き始め」の時期だからかもしれないのだけれど、最近は「お金が貰えるから」というのが私のテーマとなっている。


生まれてこのかた、たくさんの苦労をしてきた。若いうちにする苦労なんて、たかがしれていると思われるかもしれない。そして、私の苦労なんて、大した苦労ではないのかもしれない。でも、苦しさや辛さを受け止める器というのは人それぞれある。大きさが違う。自分の器に入らないなら、それはもう「苦労」だと思うから、ここでは苦労としよう。


数々の苦労は、その「成果」が、どうもモヤッとしていた。失恋を伴う恋愛の苦労は、「次があるから」、不合格を伴う受験の苦労は、「無駄になることなんてない」。苦労苦労の末に生まれた「成果物」は、なんとも言えないものばかりだった。実力が無かったのかもしれない。


仕事はというと不安定だが明確な価値を持つ「お金」ってやつが成果物になる。「やりがい」とか「経験」とかいうクソみたいなものが、メインではなく副産物に当てられる。私は思う。これらクソみたいなものは、副産物として手に入れるくらいで調度いいのだ。


もちろん、欲しくてたまらない「やりがい」とか「経験」があるなら金を払ってでも取りに行きたいと思う。しかし、それを理由にして「タダ働き」をするのは間違ってる。


私は若いから、まだそう思っている。

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