行方
「病で弱った体を
「そこまで、お世話になることはできません」
かすれた声で、章成は言う。
「……………――友則」
長谷雄は
「
「そうっ。そうなんだよっ」
向き直り、長谷雄は章成に向かって繰り返しうなずく。
あるだけの
貫之と同じ十七歳で、
「では、もう少しだけ、お世話になります」
「そうしたまえ」
長谷雄は、章成の
章成にさえ、
章成を家に帰せない
――
紀長谷雄は、医道をあきらめきれず、菅原道真に頼んで、
長谷雄は、章成が寝入ったことを見ると、立ち上がり、
うつ伏して、
友則は、
「
「そうだな」
「
「そうだな」
「――
「そうだな」
「…………」
熱が下がって、二日の
家に友則が入り込んだが、
「このまま、身を
長谷雄は言って聞かせて、章成は黙って聞いていた。
しかし、章成は、長谷雄の家からいなくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます