占いおばばも、若かった!プロは、ツッコミ返し上手で

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 おばあちゃんも、若かった!やるね~!こういうことをサラッと言える人が、プロの占い師なんですね(たぶん)!

   (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

     ☆

すごいよ、おばば!

 本物のプロ占い師がいると、評判だ。

 うわさされているおばばが、ポツリ。

 「未来を占うとか言い当てましょうという仕事は、骨が折れるね。痛いツッコミを受けることが、あるから。でもね…」

 今度は、ニヤリ。

 「でも、受けたツッコミを上手く返す占い話術がある」

 経験談を、語ってくれた。

 「昔はねえ…。バブルといって…。景気の良すぎる時代が、あってだねえ。ポケーッと何もしなくても、バラ色人生の時代じゃよ。バブルのおじさんやおばさんっていう言葉は、聞いたことがあるかね?ああいう人間が、たくさん生まれた時代じゃ。ゆとって…」

 話が長くなるので、そこはカット。

 とにかくおばばは、ツッコミ返し上手。

 当時は、こんなことがあったという。

 客の 1人が、ばばあのもとに走ってきて言う。

 「おい、あんた!」

 「…占い師と、言ってくれ」

 「すまん」

 「で、何だい?」

 「あんたの家、火事になっているみたいだぞ!」

 「火事?」

 若き占いおばばは、うろたえた。

 当然かな。

 立ち上がり、猛ダッシュをして帰宅しようとする。

 当時は若かったから、マラソンも充分にできたらしい。

 が、他の客たちからツッコミが入る。

 「占い師さんよ?」

 「おかしいじゃないか」

 「あんたは、未来を言い当てましょうとか何とか言っておいて…。自分自身の身の上さえ、わかっていない」

 そこで、若かりしおばばがある言い方で返したら…?

 客たちの態度は、一変。

 「この占い師は、プロだ」

 「運勢を、見てくれ!」

 「俺の未来、占ってくれ」

 「運気もくれ」

 「私も」

 「俺も」

 かえって、客が増えましたとさ。


   (この話の意味)

ツッコミが入っても、仕方がないか。

「あの占い師は、自分自身のピンチもわかっていない」

 「ダメ占い師」

 「自分のことすら…」

 でも、若いころのおばばは負けなかった!

 いくつものツッコミに、こう返したんだってさ。

 「…皆様、心配はいりません!これで、私にかかった悪い運は、燃えて消えました。私の占いパワーは、急上昇!皆様の運勢を、もっと良く燃え上がらせることができるようになりました!」

 やるね~!

 これぞ、プロ。

 エモいなあ。



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