新入社員なら、情熱のSFエレベーターでこんがりと!
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 ブラックな情熱SF会社へ、ようこそ。情熱をアピールすれば入社できる会社も社会で、新世界の扉が開かれる。
こんがりするSF魂で、新入社員のオキテを燃やしたい!
大切なのは、情熱。
この会社には、情熱を猛アピールして入社した。
「焼き肉店やサウナの熱データなどを、個人情報に留意してまとめていく」
それが、この会社での業務。
本当に、熱好きな会社だ。
「ここは、情熱を重視する会社だ。入りたいのなら、情熱を猛アピールしろ」
先にこの会社に就職した先輩の 1人が、教えてくれたっけ。
「情熱」
その言葉を忘れずに、アタック。
「情熱、情熱!」
入社面接は、情熱まみれ。
何を言っていたのか自分自身でもわからないくらいに、とんとん拍子に進んだ。
先輩は、面白いことを言う。
「自分自身の情熱を信じていれば、こんがりと焼き上がるさ!」
言うねえ。
結果…。
「合格です!」
晴れて、入社できることとなった。
さすがは、ゆるい教育で人材不足の、楽勝ルート世代だ。
うらやましい。
他の建物と比較し情熱的に高いビルディングの中で、ほこり高く働けるようになった。
働いているフロアは、 2階や 3階。
気分良く、ビルの最上階にあるという社長室にいってみたい気分になっていた。
先輩社員には、釘を刺されたが。
「軽々しく、会社のビルの上を目指すんじゃないぞ?」
先輩の情報は、面白い。
「熱は、良いもんだ。熱があればこそ、働ける!熱をあの方にいただいて、さらに成長せよ!」
「あの方ですか?」
「そうだ、あの方だ。お前のような新入社員たちも、こんがりいこうぜ、こんがり」
「?」
「情熱、情熱!」
先輩は、本当に面白い。
とにかく、情熱な雰囲気たっぷりの会社であることに変わりはない。
「わかりましたよ、先輩!」
「そうか。お前は、良く焼かれろよ?」
「?」
「教祖様に焼いてはもらったが、俺は、パリッとしなかった」
「教祖様?」
何なんだ、この会社。
「あ…」
ふざけた会話をしていた罰か、今度は清掃服を着たおばちゃんと出会う羽目に。
おばちゃんは、モップとバケツを振りかざしてゲラゲラ笑ってくる。
「あら、 1人は新入社員さん?焼かれていない、やわな顔ねえ」
あれ?
先輩が、おばちゃんにひれ伏したぞ。
「教祖様!」
「ちょ、先輩…?」
「教祖様!」
「この人が?」
先輩が言っていた教祖様、現る!
こいつの力については、次回!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます