第27話 第八世代
ホロがディスプレイに投影するための追加の資料を流し込んでいく。
『フェルンディオでつこうてる第七世代のロゼ。まぁよくこんなロートルを運用しとるなぁと感心するわ。せやけどソラバチ相手にいつまでも第七世代で保つとは、司令官はんも思うてないやろ?』
『……』
『せやけど、中央機関は新型ロゼの提供は消極的。ま、
私の知らない単語が出てきた。
「——ねぇミラ。大悖逆ってなに?」
「ケンタウルス座α星の調査に向かった船団『スリーポイント』が起こした反乱よ。当時スリーポイントは三重連星だったケンタウルス座α星系を調査するために向かっていたのだけれど、調査のために最新のロゼと、ロゼ単機で天文単位を移動できるブーストライダーを要求。その後、ロゼ1000機を引き連れたスリーポイント船団は地球圏へと引き返し、ラグランジュポイントL3に陣取るの。その後5年の歳月にわたって地球・月面基地への攻撃を仕掛けたの」
「いったいなんで?」
「中央機関の体制にたいしての反乱。教科書的にはそう言われているわね。けれどこれをきっかけに各船団へのロゼ供給はストップ。それに船団が使用できるワープ航法装置も使用回数に制限が設けられたって聞くわ」
『——中央機関はすでに第十二世代までの配備を完了し、さらには次世代機もせかせか作ってるちゅー話や。今更第八世代のロゼを100機200機供給したからいうて、脅威になるとは思わんやろ』
『だが現実はロゼの更新は止まっている。それをお前に頼めば通るとでも?』
『あんなぁ、頭の硬い中央にまともに書類申請通そうとおもたらそれこそ100年かかるで?まぁオタクらにはそれしかないんやろうけど、ワイは
『……わかった』
『あんがとさん!さっすが司令官はん、話が早くてたすかるわぁ』
『しかし学校への提供は第八世代ロゼが来てからだ。それまでは貴重な戦力だ』
『ええよええよ。早ければ来週にでも手配できるからな』
それじゃあよろしゅう、とホロは通信を切る。
後日、学校には30機もの完璧に整備された第七世代ロゼが到着したのであった。
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