そうそう。この打率感がビクトリーズってもんよ。
早速宮森ちゃんのとこのお子さまは、もみじと柔らかい積木みたいなのがたくさんあるところで遊び始め、かえでは野球が観戦出来ると、俺の横に陣取って目はギンギンだ。
「よーし!とりあえず、飲むわよー!」
ギャル美は荷物を置くと、肉厚のソファーにどっかりと腰を下ろし、タブレット端末を手に取った。
「とりあえず、みんなビールでいい?……あ、いや、なんか奥田さん監修の乾杯シャンパンがあるからそれにしましょう!」
奥田さん、引退後も酒造関連でしっかりとボールを投げ込んでいるみたいだな。
「かえでちゃんは何飲む?」
「オレンジ!」
「もみじちゃんとユウタくんもオレンジでいい?」
「うん!」
「うん!」
ギャル美がタブレットに指を這わせてしばらくすると、早速飲み物とオードブルが届いた。
「「カンパーイ!!」」
コチーン。
全員でソファーに座り、シャンパンの入ったグラスをかち合わせる。
薄いピンク色のシュワシュワが爽やかに喉を駆け抜けていく。
「美味しいですね!」
「ほんと!飲みやすくていいわね、これ!」
「さすが奥田さんですね!あの曲がりの大きいスライダーを思い出します!」
「さやちゃん……何言ってるの?」
俺が冷静にツッコミを入れると、彼女は胸元赤く染めた。
「いや、すみません!海外帰りなものでテンション上がってしまいまして!」
「海外帰り? 旅行でも行ってたの?」
「あら、あんた知らないの? さやか、今20歳以下の女子サッカー日本代表のアシスタントトレーナーしているのよ」
「なに!?女子サッカーの日本代表だと!」
「ごめん、時くん。そういえば、言ってなかったよね。さやちゃん、トレーナーの学校卒業してから、いくつものプロチームからお誘い受けたんだよ」
「マジかよ!!………2年間頑張ったんだねえ」
あかん、また涙が。
「さやかちゃん、ずっと成績トップだったんだよね!幼なじみとして誇らしいよ」
「ありがとうございます。やっぱり、新井さんね言葉がずっと胸に残っていましたよ」
「わたくしの?」
「はい。トレーナーという存在は、選手のケガの面倒を見るだけじゃない。その選手のポテンシャルを発揮させるためのケアやサポートをする。その姿勢と信念がチームを強くするんだって」
「ああ。君が研修でスタジアムに来た時のやつだね」
「はい!私はその言葉を心に刻んで頑張って来たんですから。他にもトラブルがあったりした時にもたくさんお世話になりましたし、本当に今までありがとうございました!」
ポニテちゃんはそう言って、シャンパンをグイッと飲み干した。
「というわけで、早くご飯を注文しましょう!お肉はありますかね?」
本当に感謝してるのかしら?
「それに関しては異議なし!」
宮森ちゃん、異議なし!じゃないんだよ。
「お待たせ致しました。プロ野球東日本リーグ、北関東ビクトリーズ対東京スカイスターズの16回戦が間もなくプレーボールです。まずは北関東ビクトリーズのスターティングラインナップを見ていきましょう」
1番8 柴崎 .274 6本 22点
2番6 並木 .261 8本 28点
3番7 祭 .253 5本 50点
4番5赤月 .285 11本 59点
5番3マテル .230 9本 30点
6番 9露摩野 .248 1本 19点
7番4浜出 .229 3本 16点
8番 2 北野 .191 0本 14点
9番1連城 .142 0本 4点
「以上がビクトリーズのスターティングラインナップになります。大原さん、やはり上位打線の繋がりというところが1つポイントでしょうか」
「そうですねえ。やはり1番柴崎、2番並木でどれだけチャンスを作れるかですよねえ。後はマテル、露摩野といったところが昨日途中から出て来て結果出していますから、この辺りのバッティングでチームに勢いをつけたいところですよねえ」
「ビクトリーズは昨日スカイスターズに1ー6で敗れましたが、その1点は代打で出場した露摩野とマテルの連打で奪った1点でありました。先週、チーム本塁打トップの芳川が登録を抹消されて、得点力というのが課題になりつつあります」
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