第29話 皇帝の呟き

「余は、偉大な始祖様エンシェントエンペラーからの直系エンペラーバンパイア『アダン14世』全てのバンパイアを統轄する皇帝である」


⦅はあ~~~……⦆


⦅何が皇帝だ? 偉そうに言っても、可愛い我が子一人助ける事が出来ず、逃がす事しか出来んかった、余は情け無い父親だ……⦆


(アランは無事にコズラ侯爵領を抜けたで有ろうか? アランは余を恨んで居るで有ろうな……余は……アランこそはエンシェントエンペラーの再来と……血を見て卒倒する変なバンパイアと分かった今でも確信して居る! ……退化し化け物になってしまった一族はもとより、血に飢えた醜い化け物のバンパイア達……)


 ……いや、待てよ? 古い文献だが……これだ!

 ……法螺話の奇書扱いの書では有るが、確かに記してあった、嘘の様な一説だが。

「エンシェントエンペラーは血を嫌悪して居った、と伝わって居る! まるで可愛い我が子アランと同じではないか?」


⦅血に頼る事無くエナジードレイン出来たエンシェント、アランもエナジードレイン出来たと言う事は、アランは真のエンペラーに成長してくれるで有ろうか?⦆


「血に飢え醜く退化した、皇子や皇女達から守る為の追放であったが……余を恨んでも良い、立派に成長して新たなバンパイアの始祖となってくれ!! アラン!!」



 ……とは言えど、父とすれば立派に成長した我が子アランに会って滅びたい……と思うのは、我が儘かのう?



 我が子アランを、不本意ながら追放してしまったエンペラーバンパイア、アダン14世の後悔の呟きは、終ること無く続くのでした。

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