SFラブでいこう。こんな300年ストーカーなら、悪くない

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 SFラブを、あなたに。きゅんとして萌えて、時を超える愛ストーカーって、どうですか?

 「地球約束SF研究所」

 この研究所は、いそがしい。

 日夜、 x軸と y軸、 LGBTQ +軸の操作で変え得る時間と空間研究がおこなわれている。

 今日は、所長がこう言って大盛り上がり。

 「限定的ですがね、時間の操作が可能となりました!」

 それはつまり、いわゆる「タイムマシン」が完成したということ。

 試運転をするため、 1人の若手男性研究員が完成したマシンに乗り込んだ。

 「過去にいってきます!」

 ウイ~ン…。

 が、いつにきた?

 どこにきた?

 目の前には、牛舎のような建物が建つ。

 「…あ!」

 建物の中から、少女が出てきて転倒。

 「いった~い!」

 彼はすぐに、少女の元に駆け寄った。

 「だ、大丈夫ですか!」

 「ありがとう。…あなたは?」

 「名乗るほどの者では、ありません」

 彼が素っ気ないのも、当然。

 過去の時間軸をいじりすぎてしまえば、厳罰もの。

 すぐ、元いた時間軸に帰ろうとするが…。

 「あのう…。また、会えますよね?」

 少女が、顔を赤く染め。

 「俺、この子に好かれた?」

 「男の人に、手当てしてもらえるなんて」

 「…」

 「あなたの顔は、忘れません」

 「…え?」

 「私、記憶力抜群なんですよ?」

 「そうですか。優秀ですね」

 「今度会えたら、私があなたを看護しますから!」

 「はいはい…。って、俺、未来の人間なんですけど」

 「?」

 「何でもないよ。さようなら」

 …ウイ、ウイ。

 ウイ~ン…。

 彼がタイムマシンに乗り込むと、もやがかかりはじめた。

 「良し!」

彼は無事、元の時間軸に到着した。

 良いことは、続く。

 「はじめまして…」

 可憐な少女が、新人として研究所に入ってきたのだ。

「うわ!新人さんですか?」

 急に、イスから立ち上がる彼。

 「どうした?」

 「一目惚れ?」

 「クスクス…」

 床に転げ落ち、膝をすりむいた。

 そこでだれよりも早く応急手当をしてくれたのは、その少女。

 「…ありがとう」

 「うん」

 「俺なんかに、親切にしてくれて」

 「当たり前じゃないですか」

 「?」

 「私、 300年前に約束したでしょう?」

 「… 300年前に約束を?」

 「今度会えたら、私があなたを看護しますからね!…って」

 「!」

 過去の時間軸で出会えた少女が、彼を追いかけてきてくれたのだった。

再会の思いは、時をかける愛ストーカー。

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 SFラブ。


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